内容説明
軽輩の出身でありながら、六二歳で町奉行に大抜擢された赤鬼奉行根岸肥前守鎮衛の前に、前代未聞の大事件が発生した。与力や同心の組屋敷が置かれた八丁堀で町奉行所の同心が二人、何者かに斬り殺されたのだ。町奉行所の威信にかけて、下手人を突き止めなければならない―。シリーズ第二弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県に生まれる。立教大学法学部卒業。1993年、『黒牛と妖怪』で第一七回歴史文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
110
この回は、題名通りの事件が起きて、その間にさまざまな謎を解決していくということで5つの話が連作になっていて、最後にこの表題の事件が解決されるということで楽しめます。主人公が当時としてはかなり高齢ですが、洒脱な性格で部下をうまく使っています。この事件自体は今の時代にもあるような話で、役人でも結構悪い人物がいたということですね。2017/10/08
タツ フカガワ
56
シリーズ2作目。八丁堀の組屋敷で同心2人が刺殺される。その後も高積見回り同心や古銅吹所見回りの与力ほか供の者4人が巡回中に襲われ死亡。町奉行所の役人を標的にした連続殺人事件の凶刃は、やがて根岸肥前守へ向けられる。前作にも増して面白かった。なかでも事件解決後の、根岸肥前守の人柄が滲み出るような最後の4ページがよかった。2024/06/25
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「耳袋秘帖シリーズ・殺人事件シリーズ」第二巻。一作目の「赤鬼奉行」赤鬼の謎がとけました。今巻は五話の短編にそれぞれの謎があり、そして全話を通しての大きな謎が最後にとけるスタイル、大好きなんです、こういう構成。そして、シリーズものの楽しみは登場人物の行く末なんですが、栗田と奥女中の雪乃(一巻の最後に登場した根岸家の奥女中)の仲がこれから進展するのかが気になります。亡くなった許嫁を忘れられない坂巻に出逢いはあるんでしょうか?最後に説明かされた謎ははかなり重たいものでしたが、後味は悪くないのは流石風野氏です。2024/06/02
み
29
さくさくと♪根岸さまカッケー(^o^)栗田さん頑張れ。今作の最後はちと悲しい、やり方が悪いよね。2016/06/07
miri
19
南町奉行、根岸鎮衛の在任中、同心が殺される事件が起きる。犯人像がなかなか掴めない中、怪異なものを絡めた事件も起き、それを解きほぐしていくうちに、犯人に迫っていくという二重構造のミステリー。敢えて、ミステリーと言っていいと思う。奉行のスマートな頭の良さと意外な腕っ節の強さもいい。何の期待もせず読み始めて、途中で、夢中になってページを繰っていた。他の作品も読みたい。2019/06/15
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