内容説明
「好奇心のない老人は、話に未来がなくてツマラナイよね」85歳になったショージ君が考える、老い、死、日々のおもしろがり方のこと。
目次
見るもの聞くもの、腹の立つことばかり
水分を小まめに
懐かしきかな“昭和の音”
ニュースタイルお節
「序で」の力
相田みつを大研究―名言を量産したっていいじゃないか、書けるんだもの
頭のふりかけ購入記―薄毛はモウこわくない
葛湯の実力
遠ざかる青春―懐かしき早稲田の街を歩いてみれば
焙じ茶をめぐる冒険
明るい自殺
ああ疎開
昭和の蠅を懐かしむ
行って楽しむ行楽弁当
寂しいのはお好き?定年後、世捨て人のすすめ
インタビュー・85歳のヨタ話
著者等紹介
東海林さだお[ショウジサダオ]
1937年、東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学第一文学部露文専修中退。70年『タンマ君』『新漫画文学全集』で文藝春秋漫画賞。95年『ブタの丸かじり』で講談社エッセイ賞。97年菊池寛賞受賞。2000年紫綬褒章受章。01年『アサッテ君』で日本漫画家協会賞大賞受賞。11年旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
111
えっそんなお年なんですかあ!と驚かれる方も多いと思う。昭和12年生まれか・・・戦争中の記憶もある方なんですね。内容は丸かじりシリーズからの抜粋と他。食だけではなく自殺のことや頭のふりかけ、昭和の生えのことが面白い。まるかじりシリーズも週刊朝日が休刊になったので新作はこれから読めないと思うと寂しい。老後の楽しみについて書かれていて老後の楽しみのこと・・・欠伸や白湯でも楽しむことができること、要は好奇心を持つことが大切ということ。図書館本2023/04/28
ネギっ子gen
63
若い頃、いちゃつくアベックに「ケシカラン!」と石を投げてたショージ君が、85歳の今なお初志貫徹し、<見るもの聞くもの、腹の立つことばかりだ。右を見ては、けしからんと言い、左を見ては、なっとらん、と、一日中怒っている>姿は感動もの(涙)。「美しい日本」に生まれた者として、ショージ老君の意気軒高さを範にすべき、と固く誓う次第。世捨て人・ショージ殿は宣ふ。「常識的なものの考え方をちょっとずらすだけで、なんでも面白く見える」「描くことがつらいとか、モチベーションがなくなるとかは、ぼくにはありえない」と。流石だ!⇒2023/02/26
かずぼう
33
85歳になる東海林さだおさん、長寿の秘訣は好奇心とユーモア。昔話ばかりしている同世代とは話がつまらなくて合わないそう。分かるな~。2024/01/05
Karl Heintz Schneider
29
以前は小説よりエッセイの方が好きでした。それはたぶんに、東海林さだおさんの影響が大きかったのです。ところがその後、小説の面白さに目覚め、その深みに、どっぷり浸かって幾星霜。すっかりエッセイからは遠ざかっていたのですが図書館の新刊案内で本書のことを知り遠い昔に遊んだ親友に、久々に会ったような気がして手に取ってみた次第であります。読んでみたら、以前と全然変わっていませんでした。85歳とは思えない若々しい文章に嬉しくなりました。わが師・東海林さだおさんは老いてなお健在であることが確認できました。2023/03/07
ちゃま坊
24
ラジオでシティボーイズのきたろう氏が推してた。すごい昔に「ショージくんの青春記」読んで以来、時々読みたくなるショージ節。老いをネタにしてる芸人たちはまだ若い。先輩はケシカラン妄想をまだ持続してるぞ。隠れたところを見たいのが好奇心。見れなきゃ想像する。若い時のケシカランとは少し違うが、老いてまだそれをメシの種にできるのがすごい。2023/09/25