内容説明
人生にはお金で買えないものがある。涙をぬぐうことさえ忘れてしまう、そんな“感動”に出会ったことはありますか?“悲しくて、せつなくて、あたたかい”18の話。
目次
謄写版刷りの「雨ニモマケズ」
映画『生きる』の志村喬
出郷が許された二月の朝
叺に隠しておいた発禁の詩集
ランナー円谷幸吉の遺書
ルソン島で死んだ兄への献花
ハバロフスクの老婆
兵士たちの屍を片づけた「からゆきさん」
水上勉さん『風部落』との再会
わが子を凍土に埋めて
大西洋に夕日は沈むとき
レバンノ国境最前線基地で
ルーマニアの笛と『夏の栞』
バスのなかの葡萄の一房
ペトロ岐部の筆跡
コインブラに眠る留学生第一号
縄文杉の霊気に包まれた
アウシュヴィッツから生還した歌手
著者等紹介
松永伍一[マツナガゴイチ]
詩人・エッセイスト。1930年福岡県生まれ。八女高校卒。1957年上京し、以後文筆生活。文学・民俗・美術・宗教など、多方面にわたるユニークな評論で知られ、『日本農民詩史』全五巻により毎日出版文化賞特別賞受賞。あらゆる文学組織に所属せず
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