内容説明
誰かがわれわれの技術を狙っている―。新現象を発見したエンジニア・神田淳は、中国系アメリカ人・CCと、サンタクララにベンチャー企業「ルミネジア」を興す。日本の投資会社ノビレッジは同社にシードマネーを投じ、副社長に篠原翔子を送り込む。しかし、なにものかの圧力により出資は中断、「ルミネジア」のメンバーは世界最大のコンピュータ・メーカーICMの会長にアプローチし、起死回生の作戦を立てる…。新技術をめぐる覇権争いと、困難を切り抜けていくエンジニアの心意気を、スピーディな筆致で描く。
著者等紹介
阿川大樹[アガワタイジュ]
1954年、東京生まれ。東大在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。座付き作曲家。のち、大手電機メーカーの半導体技術者になり、転職後、シリコンバレーに於ける半導体ベンチャー企業創業に6人の創業者とともに参加。1997年、会社解散。文筆活動に専念。1999年、第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年、本作『覇権の標的』にて第2回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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詩界 -うたか-
10
#読了◆エンジニアの神田の夢のような仕事を冴子はなかなか理解してくれない。愛し合っているのに、そこだけは通じ合えないことがもどかしい。そんな中新しい技術作りにみな動いていると邪魔が入って……◆エンジニア物語。2020/07/30
おのちん
9
★★★★☆:物語中程のハリケーンとの追い掛けっこでの巨大企業トップのリスク管理の例、最後の特許の扱いについて感動した。エンジニアってやっぱ素敵な職業だとしみじみ思った。2021/10/11
Nori
1
新素材の半導体を開発することによって巻き起こる企業間の熾烈な争いを描いた物語。阿川大樹さんのデビュー作ということだけど、わりと『終電の神様』でハートフルなイメージがあったけどこんなハードボイルドな作品でデビューしてたんですね。2022/07/08
そらパパ
0
タイトルから想像してたのとは全然違ってて良かったです2016/10/26
青木ちゃかし
0
3〜4年前に読んでいた事を忘れまた図書館で借りてしまった…でも、石油財閥VSウラン(ダイヤモンド)シンジケートの話は、3.11の東日本大震災以前・以降でまた感じ方が違ったかも…2014/07/27