内容説明
二〇〇三年、五大グループへの再編を終えた損保業界。中堅の渋谷火災(略称シブカジ)を揺るがす事件が起こった。同社の内部資料を入手した経済誌が、不正融資を暴露したのだ。雑誌には、同社が子会社を通じ、闇金融にも資金を融資する卸し専門のファイナンス会社への資金提供をしていることが暴露されていた。記事を証拠づける資料として、最高経営会議議事録のコピーと思われる写真まで掲載されていた。社内中枢部からの内部告発は明らかだった。法王と畏怖される渋谷火災会長・藤田想太郎は、前副社長の仲田希一が内部告発したに違いないと、損害賠償請求を起こす。仲田は潔白を主張し、若い弁護士羽根田潤とともに渋谷火災との闘いに挑んだ。第1回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。
著者等紹介
滝沢隆一郎[タキザワリュウイチロウ]
弁護士。1966年生まれ。『内部告発者』で第1回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Syo
28
これまた凄い作品2022/03/07
藤澤謙光
3
初の作家さん 流石、第一回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。サクサク読めました。2015/07/14
もぐらけい
3
なんともおもしろい。 裁判の被告人となった者の心情が哀しい。 読者は第3者である。 この心情はわからないだろ? との問いかけなのか。 企業物としてはよくある裏切りが軸だが、新米弁護士の存在が読ませる。 ちょっと新しい著書を読んでみたいと思っている。 2009/06/26
としき
2
出張中の電車の中で2冊の本を読んだ。そのうちの1冊!タイトル通り「内部告発者」をテーマにしたストリー。内部告発者というと、まだ日本では裏切り者というイメージがあるが、アメリカではホイッスルブロウワー、つまり社会の為に企業に警笛を吹く人「鐘を鳴らす人」という表現で使われている。ちょうど今、鐘紡の美白クリームが問題になっているが、その対応が遅すぎる。こんなに被害者が一杯出るのなら、警笛を吹く正義の内部告発者いたら・・・・・とつい思ってしまう。2013/07/23
まめちゃん
2
企業は個人の犠牲により成り立っていると感じさせられた。やりきれなさが著者の意図するところなのかしら?2011/01/01
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