内容説明
日本の金融自由化がスタートした1985年。東都相互銀行は巨額の不良債権にあえいでいた。監査役・井浦重男を筆頭とする経営陣は、銀行を私物化してきた創業者一族を排除して再建を果たそうとする。経営権を握るために同銀行株の取得を目指す井浦たち。しかし、資産を死守しようとする創業者一族は、株をある人物に売却してしまう。背後に見え隠れする大手都銀の影。株買い戻しに躍起になった井浦らは、政官財、さらには検察まで加わった巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく…。政官財、さらには検察まで加わった巨大な陰謀の渦―。話題の著者による迫真の金融ノベル!第1回ダイヤモンド経済小説大賞・優秀賞受賞。
著者等紹介
大塚将司[オオツカショウジ]
1950年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科卒業。75年、日本経済新聞に入社し、経済部、証券部などに所属。「住友銀行、イトマン事件」「東京銀行・三菱銀行の合併」(95年・新聞協会賞を受賞)などスクープを連発する。03年、日経・鶴田社長(当時)の専横を糾弾する内部告発を行ない、同氏を退陣に追い込んだ。初めて小説に挑んだ『謀略銀行』で、「第一回ダイヤモンド経済小説大賞」優秀賞を受賞
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感想・レビュー
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たかひー
1
★★★ あまりどんでん返しや手に汗握る場面がなく、楽しさという点ではイマイチか。そのぶん現実には近いのかもしれない。2021/03/04
じゃんケンシロウ
1
《3/5点》銀行を再建する為、経営者と創業者一族の対立から物語が始まるが、実際にありそうな話であり、物語も淡々と進んでいく。十年以上前の本であり、時代設定も三十年前なので、今とは違う箇所もあるかもしれないが面白かった。また、経営者でもない限り馴染みのない内容だと思うが丁寧に説明されており、私の様な素人にも分かりやすかった。2016/02/17
kyan
0
14年前に初版された本で、 バブル期前のころに時代設定の銀行物。 相互銀行を舞台に、創業者一族と現経営陣との、 銀行建て直しについて戦いを描く。 ここに、都市銀行が、吸収合併の手を伸ばしてきたり、 大蔵省や検察庁、黒い世界も絡んでいるようで。 陰謀渦巻く感をずーっと漂わせながらストーリーが進んでいく。 最後は、なにも・・・という感じだったかな。 暗い感じだけど、ストーリー的には仕方がない。 ★★☆2017/12/14