出版社内容情報
分不相応の昇進は不幸の始まり。昇進に目の色を変えるビジネスマンに警告を与え、創造的無能の効用を説くベストセラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ココアにんにく
3
知人との会話で「ピーターの法則」が出てきた。俄然興味を持ったので本書を見つけ即読しました。階層社会では能力の極限まで「無能レベル」まで出世する。上層部が無能だらけになる。23人の副社長w。各階層が無能で埋め尽くされる組織にならないためにどうすればいいのかが、分かりやすい話で語られている。既視感を覚える話が多い。スーパー有能(無能)は秩序保全を第一とする階層社会に適さない事、患者を起こして睡眠薬を飲ませる「職業的公式主義」、「終着駅症候群」の犠牲者、昇進を断り続けるスーパー社員など。1970初版 今の評価は2020/10/12
RYU
2
階層社会学。階層社会の構成員は、昇格などによって無能のレベルに達する傾向にある。そうした階層社会において、健康と幸福を守るためには、創造的無能、すなわち、自分はすでに無能レベルに達したという印象を創造することが、一つの方法になりうる。2016/02/02
トッシー
2
『階層社会にあっては、その構成員は(器量に応じて)それぞれ無能のレベルに達する傾向がある』。誰もがこの法則から逃れることはできない。でも、この本はあなたの生活に革命を起こしひょっとしたらあなたの一生を救ってくれるかもしれない、なんて書かれている。昇進のメカニズム→よき服従者たれ。ポッターは人間には常に高揚状態に進もうとする<アップ志向>があると言った。ピーターは常に幸せな状態を望むなら前進途中でそれを放棄し<停滞志向>を選択せよという。その方法論がこの本の肝<創造的無能>だ。階層社会に住む人全てにお勧め。2011/04/16
Kitamuu
1
階層社会にあっては、その構成員は各自の器量に応じてそれぞれ無能のレベルに達する傾向がある。職業的公式主義。明らかに手段が目的に先行する。スーパー無能の特徴、生産性の欠如、階層社会の内部的首尾一貫性への貢献の欠如。頂上有能は、無能レベルに、達する暇がなかった、無能レベルに達するのに十分な階級がなかった。すりかえ、永遠なる準備、わき道への回避、イメージづくり、完全な無関心、戦線縮小方式。創造的無能。有能、無能の分け隔てなく全員を進級させると、階層社会的退化に。やっていることは祭り上げ以外の何物でもない。2019/07/22
tahima
1
階層社会における無能の本質、昇進の極意、昇進後の結末が描かれている。半世紀近く前の作品だから現在には合わない内容もあるけど、コアな部分は現在の大きな組織でも当てはまっていると思う。昇進したポジションを全うする力が無いことを「無能レベルに到達する」と表現するのは面白い。ただ、創造的無能が意図的に無能を装って昇進しないことであれば、人間の成長を否定しているようでその結論にはちょっと疑問あり。2018/02/05