内容説明
経済学の誕生以来、200年にわたって続けられてきた貿易をめぐる論争。貿易国の利益をより高めるのは、自由貿易と保護貿易のどちらなのか?激増するFTA(自由貿易協定)は、真の貿易自由化につながるのか?グローバル化時代の自由貿易が、貧富の格差を広げるというのは本当か?最新の理論研究に基づき、国際経済学の泰斗バグワティが説く、あるべき貿易の姿。
目次
第1章 自由貿易をおびやかすもの―商業政策理論における戦後の革命(なぜ、自由貿易は説得力を失ったのか;市場の失敗(歪み)の重要な役割
国内経済の歪みと自由貿易 ほか)
第2章 自由貿易への新たな挑戦―公正、社会正義、環境、倫理をめぐる問題(新たな非難の連続;「公正貿易」の愚かさとアメリカの害毒;不公正貿易としての不平等な環境・労働基準 ほか)
第3章 自由貿易を推進するために―代替的アプローチとその合理性(自由化に向けた代替的アプローチ;攻撃的単独主義―他国の貿易障壁の軽減を求める;従来の単独主義―自国の貿易障壁の軽減 ほか)
著者等紹介
バグワティ,ジャグディッシュ[バグワティ,ジャグディッシュ][Bhagwati,Jagdish]
1934年生れ。56年ケンブリッジ大学経済学学士修了(最優秀賞)。MIT、オックスフォード大学で大学院教育を受け、61年にインド統計研究所教授に就任。デリー・スクール・オブ・エコノミクス教授を経て、68年よりMIT教授、80年にはコロンビア大学教授に就任し現在に至る
北村行伸[キタムラユキノブ]
1956年生れ。88年オックスフォード大学大学院修了(D.Phil)。OECD、日本銀行、慶応義塾大学などを経て、現在は一橋大学経済研究所教授
妹尾美起[セノオミキ]
1964年生まれ。85年神田外語学院卒業、日本銀行を経て現在フリー翻訳家
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