内容説明
四十余年に及ぶ思索の遍歴。経済思想を紡ぎ出した巨人たちのテクストを、自在に読み解く壮大な説話。
目次
1 創世紀の経済思想
2 商業革命
3 古典派経済学
4 カール・マルクス
5 限界効用学派
6 二十世紀の経済学者たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹花 樒 - Shikimi Takehana
2
歴史の外観を示すことが目的であるため、ハイルブローナーは原典にあたりやすいよう興味を誘う叙述で「世俗の哲学者」としての経済学者を描写し、同時にその取扱数を限定している。「経済学」の語源を提案したアリストテレスに始まり、商業革命期のケネー・テュルゴーを経由し、スミス・マルサス・リカードウ・ミルといった古典派の面子に、分析家としてのマルクス、限界学派のベンサム・ジェヴォンズ・ワルラス・マーシャルを加え、ヴェブレン・ケインズ・シュンペーターといった20世紀の経済学者を採り上げて政治経済学の可能性を模索していた。2012/08/03
ヒナコ
0
聖書から限界革命以降までの経済学説史が並べられているが、その網羅性が経済学説の紹介なのか、経済学説をイデオロギーとみなした時に解釈できるメタ物語なのか、短い最終章を読めば著者が後者を試みているのが分かるが、とにかく学説史紹介が長い。限界革命という経済学の厳密科学化の政治性を論じる批評部分、なぜ経済学が階級性を積極的に忘却し、個人だけに注目を移動させたのかという、著者自身の政治的な問題関心についての説明が淡白で分量も圧倒的に少ない。経済学説史を教科書的に学びたい人なら、面白く読める作品かもしれない。2017/03/25
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