地球選書<br> シルク大国インドに継承された日本の養蚕の技―技術者の絆が結んだ高品質な生糸づくりの夢

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地球選書
シルク大国インドに継承された日本の養蚕の技―技術者の絆が結んだ高品質な生糸づくりの夢

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784478042212
  • NDC分類 632.25
  • Cコード C0361

内容説明

明治より近代国家への発展を支えた日本の養蚕。戦後、急速に衰退したその高い技術が南インドで地域経済に大きな貢献をしている。だが、ここまでの道程は平坦ではなかった。技術移転や技術指導は文化と文化の衝突である。現地の風土にあわせた技術と知識の継承により高品質な生糸づくりをめざして奮闘した長期にわたるプロジェクトの報告。

目次

プロローグ 日本の養蚕技術の継承:一線級の人材を投入した国際協力プロジェクト
第1章 マユはどうやってできるのか:カイコのライフサイクル50日
第2章 二化性養蚕プロジェクトの目標:良質の生糸をつくるために
第3章 南インド養蚕前史:熱帯二化性養蚕技術確立への長い道のり
第4章 プロジェクト第1期~第2期:研究所の技術開発から現場での技術実証へ
第5章 プロジェクト第3期:新しい二化性養蚕技術、本格的普及拡大へ
第6章 プロジェクト16年の成果:二化性養蚕技術協力による地域の総合的発展
第7章 プロジェクトの自立発展:コラールゴールド、回転まぶし、面的拡大
第8章 プロジェクトからの示唆と教訓:南インドと世界の養蚕の今後
エピローグ インド養蚕協力が残したもの

著者等紹介

山田浩司[ヤマダコウジ]
国際協力機構(JICA)研究所参事役。1963年生まれ。岐阜県出身。上智大学大学院経済学研究科、日本福祉大学大学院国際社会開発研究科修了。民間金融機関勤務を経て1993年JICA入構。ネパール事務所、アジア第二部勤務の後、2000年より世界銀行出向。2003年JICA復帰、国際協力総合研修所調査研究グループ副主任研究員。2007年インド事務所次長を経て、2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Sanchai

2
この春、小3の我が子が学校でカイコの飼育に取り組んだ。本書の第1章に書かれているカイコのライフサイクルは参考になった。それに基づいて子供たちの飼育過程を見ていたら、おかしなところがあった。子供を通じて先生に尋ねたところ、死んだカイコが数匹いて、四齢期のカイコを買ってきて追加したことが判明した。週末我が子がカイコを持ち帰ってきている間に、数匹糸を吐き始めた。繭作りを助けるために、トイレットペーパーの芯を使った。本書から得たアイデアだった。2012/06/29

しほ

2
JICAプロジェクトの報告の1冊。最後まで集中して読んだ。蚕の基本的な知識から、プロジェクト奮闘記まで。相手の文化を尊重しながらの技術支援の難しさ。最後あたりの章では、養蚕農家が蚕のお陰で子供を大学にいれられたというエピソード。そうしてインドの農村からまた若者が去って行く。養蚕がいつかインドでも幻になる日が来るのだろう、ほんとうに。2012/04/22

Yoshiki Ehara

1
16年に渡る日本人専門家の奮闘記。のべ95人(だったかな?)の養蚕の専門家がインドに養蚕の「技」を伝えたということになっているが、実際はそんなに簡単じゃない。生身の技術者がインド人農民と正面から取っ組み合って、一つの産業を手作りしていく様は、本当に迫力がある。専門家達の地道な努力に心から感動する。2012/07/19

周利槃特

0
鶴見緑地付近で前JICA職員のインドネパール人に会ったことで興味を持ち読んだ本。多化性・二化性マユなど基礎から現在の南インドでの現状まで広く記述している。「技術移転とか技術指導とか言うが養蚕の場合それは思い上がりです。養蚕の歴史は日本より遥かに古いと自負するインドでは・・・それはいわば文明の衝突です」(p90)2018/05/20

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