地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」

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地球を「売り物」にする人たち―異常気象がもたらす不都合な「現実」

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  • サイズ B6判/ページ数 426p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478028933
  • NDC分類 451.35
  • Cコード C0033

出版社内容情報

北極海に眠る資源争奪戦に明け暮れる石油メジャー、治水テクノロジーを「沈む島国」に売り込むオランダ、水と農地を買い漁るウォール街のハゲタカ……壊れゆく地球すらビジネスチャンスに変わる「新しい現実」を全米注目のジャーナリストが追う。あらゆる紙誌で絶賛の嵐を巻き起こした現代の「必読書」、ついに上陸

内容説明

ニューヨーカー、ウォール・ストリート・ジャーナル、ネイチャー、GQ、ワイアード、タイム…絶賛!ついに日本上陸!氷の下の資源争奪戦に明け暮れる石油メジャー、水と農地を買い漁るウォール街のハゲタカ、「雪」を売り歩くイスラエルベンチャー、治水テクノロジーを「沈む島国」に売り込むオランダ、天候支配で一攫千金を目論む科学者たち…。日本人だけが知らない地球温暖化ビジネス。

目次

第1部 融解(コールドラッシュ―カナダ、北西航路を防衛す;シェルが描く2つのシナリオ―気候変動を確信した石油会社は何を目指すのか;独立国家「グリーンランド」の誕生は近い―解けるほどに湧き出す石油、露出するレアメタル;雪解けのアルプスをイスラエルが救う―人工雪と淡水化というおいしいマーケット)
第2部 旱魃(災害で利を得る保険ビジネスの実態―保険会社AIGと契約する民間消防士;水はカネのあるほうへ流れる―投機対象になった「次世紀の石油」;農地強奪―ウォール街のハゲタカ、南スーダンへ;「環境移民」という未来の課題―「緑の長城」が防ぐのは砂漠化か、それとも移民か)
第3部 洪水(肥沃な土地に「逆流」する脅威―バングラデシュからインドへの移民が後を絶たない理由;護岸壁、販売中―オランダが海面上昇を歓迎する理由;地球温暖化の遺伝学―デング熱の再来で盛り上がるバイオ産業;テクノロジーですべて問題解決―気功工学信奉者たちの楽観的な未来)

著者等紹介

ファンク,マッケンジー[ファンク,マッケンジー] [Funk,McKenzie]
アメリカ・オレゴン州生まれ。スワスモア大学で哲学、文学、外国語を学ぶ。2000年からアメリカ各地、海外に赴いて記事を書く。解けてゆく北極圏の海氷の報道で環境報道に与えられるオークス賞を受賞し、タジキスタンで実施したグアンタナモ強制収容所から初めて解放された囚人のインタビューで若手ジャーナリストに与えられるリヴィングストン賞の最終候補に残った。これまでハーパース、ナショナルジオグラフィック、ローリングストーン、ニューヨーク・タイムズなどに寄稿し、高い評価を受ける

柴田裕之[シバタヤスシ]
1959年生まれ。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

195
気候変動をビジネスチャンスと捉える人々を、粘り強く取材した。著者自身は気候変動を大変な問題として、力を合わせるべきだと説くが、ビジネスの参加者を悪人とは思っていない。気候変動の結果は人々に不公平な結果を与える。利益になる人々も少なくないし、それが問題を複雑にしていると 説く。善悪を超えた問題で、理性だけが解決を導くだろう。確かにビジネスに熱中している人々は悪人に見えないしむしろ共感を誘う。人間の業と言うのはそれだけ罪深いのか。2020/11/18

KAZOO

152
異常気象がもたらすビジネスチャンスを主にアメリカなどを中心とした国々での活動からルポルタージュを行っていて参考になります。やはりこのようなビジネスチャンスを見つけるのはアメリカ人などをはじめとした狩猟民族が上手なのでしょうね。日本人はせいぜい水産業と風力発電くらいなのでしょうか?もう少し何かありそうな気はしますが。2017/02/23

hundredpink

65
地球温暖化による影響は全ての国が等しく受ける訳ではない。南半球の貧しい国ほど甚大な被害を受け、北半球の富める国の受ける被害は限定的であり、地球温暖化を利用して更に富むだろうという酷い話。2020/09/21

Willie the Wildcat

62
融解、旱魃、洪水という変化の捉え方。ビジネスvs.環境も、先進国vs.Non-先進国という構図に留まらず、先進国内でもしわ寄せは弱者に流れる不合理。果ては独立を目論む自治体も散見?!底なしの人類の欲望。開発ありきの姿勢が、そもそも論の前提を覆している。人類の英知が自然界を侵食し、侵食された自然界が英知に挑み、新たな侵食に繋がっている感。人類の不合理のパラドックス。ビジネスでは一般用語の”潜在”市場も、本著では唯々不快感。たられば・・・、Wild Ideaがない訳でない。Leadershipと胆力だよなぁ。2017/03/07

Miyoshi Hirotaka

48
昔、北海道米は不味かった。そもそも、気候的に適さない。ところが、今ではブランド化した。品種改良の努力の賜物だが、気候変動の後押しもあった。このように地球規模では耕作可能地が増える、地下資源が採掘可能になる、新たな航路ができるなど良いこともある。変化をチャンスと捉える人もいる一方、領土紛争、水没する地域からの大規模な移動など深刻な問題も生む。犠牲者は空間的にも時間的にも遠いところにいる。自分が手にしているものの正体は、実は誰かが不利益を被った結果ではないかという倫理上の善悪の問題として考える必要が出てくる。2017/02/11

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