内容説明
大組織のメリットを残しつつ、ベンチャーのスピードで組織を動かすには?経営学の世界で半世紀の歴史を誇る栄誉ある賞「マッキンゼー賞」二〇一二年金賞を受賞した『ハーバード・ビジネス・レビュー誌』への寄稿論文「Accelerate!」をもとに書かれた、注目の意欲作。
目次
第1章 階層組織の限界
第2章 デュアル・システムとは何か
第3章 失敗事例に学ぶ、企業が陥りがちな罠
第4章 リーダーシップの本質と企業組織の進化
第5章 成功事例にみる「五つの原則」「八つのアクセラレータ」
第6章 真の危機感をいかに醸成するか
第7章 大きな機会、大きな可能性
第8章 デュアル・システムを巡る「よくある質問」
終章 企業の未来とデュアル・システム
著者等紹介
コッター,ジョン・P.[コッター,ジョンP.] [Kotter,John P.]
ハーバード・ビジネス・スクール松下幸之助記念講座名誉教授。1972年より、ハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を執り、81年、当時としては史上最年少の34歳で正教授に就任した。変革のリーダーシップの実現をサポートするコッター・インターナショナルを興した
村井章子[ムライアキコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業。翻訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
86
◆変化し続ける世界で勝つための組織構造『デュアル・システム』。起業時に有した俊敏性は時間の経過とともに組織の階層化を呼び、やがてスピードに勝る競争相手の後塵を浴びる。安定的な組織がスピードを得るには、ネットワーク組織と階層組織の二重構造が必要。代表を太陽とすると、その周囲で様々な仕事をこなすのが惑星。この太陽系をネットワーク組織、各惑星にはぶら下がる組織があってそれが階層組織。◆事業部制にも似ているが、各事業部の横連携があるのがデュアル組織のキモか。◆正直、最初の定義が疑問だらけで、よくわからなかった。 2020/03/29
牧神の午後
6
デュアルシステムとして、従前の階層型組織にネットワーク型組織を付け加えることをコッター教授は提言しているわけですが、僕の頭が悪い、あるいは固定概念に縛られすぎているからか、従来のプロジェクトやタスクフォースとの違いが最後まで腹に落ちなかった。教授も途中途中でそれを意識して書き下したり、わざわざQ&A形式で最後にその違いを判りやすく説いてくれているのだけど、教授が述べていることは、すくなくとも日本では十分タスクフォースやプロジェクトでもじっしされているのではないか?とどうしても考えてしまう。2017/03/04
bori
2
既存の階層組織と組織図のないベンチャーのようなネットワーク組織を並存させるデゥアル・システムを論じた本。デゥアル・システムの志願者は通常業務に加え、ネットワーク組織の仕事を金銭的報酬なしで行う。会社に都合のいい話だが志願する人は多そう。以下印象的な行▼スピードが鈍るのは階層組織のシステム上の欠陥(21頁)日々急ぎの問題に駆り立てられている社員には、大きすぎる問題は視野に入らない(123頁)人間のエネルギーは有限ではない。エネルギーを120%に増やして、20%をネットワーク組織に注ぐことができる(168頁)2015/10/01
Go Extreme
1
階層組織の限界: 組織にとって最も根本的な問題 ネットワーク組織→階層組織 デュアル・システムとは何か: 高業績企業 ネットワーク組織の波及効果 失敗事例に学ぶ、企業が陥りがちな罠 リーダーシップの本質と企業組織の進化 ベストプラクティスの限界 組織のライフサイクル 原点回帰アプローチ 五つの原則・八つのアクセラレータ 真の危機感をいかに醸成するか: 自己満足に陥る 自己満足と偽の危機感 大きな機会、大きな可能性 よくある質問 企業の未来とデュアル・システム: 変化は加速し続ける 戦略は大きく進化した2018/10/08
Taiki Togashi
1
著者の本は初めて読みました.もちろんリーダーシップ論も読んだことはありません.という点から冷静にこの本だけ感想として,階層別組織に対する意見には賛同しますが,デュアルシステム対しては賛同できないというよりイメージしづらかったです.そもそもこの本自体が,どの範囲を論じているかがわかりづらい,対象とする企業規模,組織論なのか教育論なのか,客観的なデータも少なく,最初にでてきた世界の変化は加速していることを表すデータは4つでそれで加速していると言っていいの?と驚きました.金賞って何に対しての金賞なんでしょう2015/08/27