内容説明
最新作『おとうと』の撮影に密着。山田洋次はいかに撮り、何を伝えようとしているのか。現場から描く迫真のノンフィクション。
目次
序章 家族の物語
第1章 伴侶なき船出
第2章 不器用な秀才
第3章 映画の嘘
第4章 効率への反逆
第5章 時流との格闘
第6章 集大成
終章 愛すべき無駄
著者等紹介
新田匡央[ニッタマサオ]
1966年横浜市生まれ。1990年明治大学商学部卒業。10年間の会社員生活を経て、2000年よりライター活動開始。主にスポーツ、社会、経営などの分野で活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
21
明大卒のスポーツ、社会、経営等のライター新田匡央氏による2010年著作。幸せの黄色いハンカチーフ、たそがれ清兵衛等、ハッピーエンドは分かっていても感動して泣かされてしまう山田洋次監督による映画は自分にとって大きな謎。本書を読んでもその謎は残るが、観客にとっての希望成就と本物感の共存に徹底的に拘り続ける監督の姿勢が、吉永小百合と鶴瓶出演の「おとうと」の撮影現場への取材を通して描かれる。同時に前から順繰り撮影は今も行なっているが、山田組スタッフは維持できなくなっている映画界の変化の現実も丁寧に書かれてて関心。2022/04/27
ことぶき2011
1
日本映画全盛期を知る監督も少なくなってきた中、まだまだ現役で活躍される山田洋次監督。すべての作品が好きってわけではないけれど、日本の良心を描き続ける尊敬すべき方です。数年前に、まとめて寅さんシリーズを観たのですが(といっても全部は観ていない)、寅さん作品はもっと評価されていいんじゃないかってくらい面白かったです(とくに初期)。これからも、まだまだ良質の映画を撮り続けて行ってほしいです。ちなみに、この本は読み物としてはやや退屈だったかな。もっと山田監督の声が聞きたかった。そういう意図ではない本なんですけどね2012/07/02