戦争報道 メディアの大罪―ユーゴ内戦でジャーナリストは何をしなかったのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 518p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478007785
  • NDC分類 239.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ユーゴ内戦で「セルビア=悪」の図式はいかに作り上げられたか? 90年代から警告を発し続けた著者が民族浄化の真実を暴く。

内容説明

露骨な偏向報道が世界を駆けめぐっている。和平交渉が始まろうとすると、タイミングを計っていたかのように戦争当事者の一方だけを陥れる情報が、事実関係を確認しないまま大量に欧米メディアから流される。いずれの勢力も同様の残虐行為を行っていながら、戦争犯罪人として告訴されるのは一勢力だけだ。ジャーナリズムの原点に屹立する記者が、偏向報道の罪を改めて問い直す。

目次

ユーゴスラビアと「明晰な知性の絶望」
偏向から爆弾、そして遺体袋へ
「動物園を見れば、その国のことがわかる」
帰ってきたポール・リビア
「被害者はムスリム人のみ、加害者はセルビア人のみ」
遺体はどこにあるのか
「偏向記事」とピュリッツァー賞の共同受賞
PR会社ルーダー・フィンの顧客
神の孤独な騎士
「殴打、告白、ピュリッツァー賞」
ジャーナリズムの最高の時?とんでもない
ハーグ―オーウェル的正義の実験
「すばらしき」ジャーナリズムの世界へようこそ
「すべては油によってなだめられる」
エピローグ―戦争「文学」

著者等紹介

ブロック,ピーター[ブロック,ピーター][Brock,Peter]
新聞記者として30年以上のキャリアを持ち、「フィラデルフィア・インクワイヤラー」紙、「エル・パソ・ヘラルドポスト」紙などに調査報道記事を執筆、17の賞を受ける。70年代からバルカンを頻繁に取材、90年代のユーゴ内戦に関する報道がいかに偏向していたかをごく初期から指摘、関係者からの非難に抗して発言しつづける

田辺希久子[タナベキクコ]
東京教育大学卒業。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。翻訳家。神戸女学院大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

肉尊

2
旧ユーゴ内戦において、西側メディアがセルビア=悪とする偏向報道を行っていたのではないかという検証本。ジャーナリスト自身の手によるもので、具体的に煽動したとされる記者の名前とその記事を具に明らかにしています。もう何が真実で何が虚構なのかよく分からなくなってしまいました。これは自分自身の目で確かめてくるしかないですね。2016/08/07

sasha

2
ユーゴ内戦は関連書籍を何冊読んでもつまずくのだよな。本書は内戦そのものではなく、当時メディアによって流されたセイルビア人加害者説の検証ってころか。揚げ足取りと言ってしまえばそれだけなんだが、複雑なユーゴ内戦を簡単に理解させるには悪玉vs善玉って構図はお手頃なんだよな。なので 「セルビア人悪玉説」なんだろうけれど、クロアチア人やムスリム人が一方的な被害者であるかと言われるとそうではない。事実はひとつ。でも、真実は人の数だけあるんだもの。2016/03/26

トラウト世代

0
ユーゴスラビアの歴史には、どんな明晰な知識も絶望する。2013/04/15

■■■(伏せ字)

0
要求される前提知識が膨大で、ワイ自身も完全に理解したとは言い難い。高木徹『ドキュメント戦争広告代理店』あたりを先に読んでおくと、問題の大枠がわかってかなり読みやすくなるはず。列挙される記事全てのウラを取るのは日本ではまず無理だろうが、いくつかはこちらでも知られた話で、信憑性は総じて高いと感じた。支援者もしくは教唆犯と呼ぶべき勢力についてもその存在に触れてはいるが、はっきり論難はしない。明確な証拠がないのだから当然ではあるし、掴まれない自信があるからこそジェームズ・ハーフは長広舌を開陳してみせたのだろう。2022/02/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/188102
  • ご注意事項