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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
百合花
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東京子ども図書館の「私たちの選んだ子どもの本」に紹介されていたこの本、図書館で借りて読んだあと、手元に置きたいと思って古書サイトで入手した。作者アームストロングが少年時代に出会った、忘れ難い印象を残した黒人をモデルにしたのがこの物語だという。黒人モーゼスの生き方、訳者清水真砂子さんはあとがきで「モーゼスは実は白人にとってのよき黒人ではないか、実際の黒人はもっと違うのではないか」と記し問題提起しながらも、同時に作品を自由にさまざまに読んで欲しいと書いている。知らないことは沢山あり読書はそれを埋める。2025/06/07
MIO
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奥さんを失くしたアンソンは、子ども三人と寂しく暮らしていたが、引っ越してきたモーゼスという黒人の教師と出会う。信心深く教養があり、優しく働き者のモーゼスとの交流を通し、子どもたちもアンソンも変わっていく。 差別の問題も語られるし、最後はそのためにモーゼスは失くなるというラストは辛いが、一人の人間の生き方の素晴らしさに感動しました。 「父さんの犬サウンダー」の少年の大人になった姿が、モーゼス。 2020/05/04
すすき
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「つねに神の御心のままに、自然を愛し、その語る声に耳を傾け、自らも大地と語らい、からだを動かし、道具を使ってさまざまなものをその手からつくりだし、そして道具の一つ一つをたいせつに、命あるもののように扱う」(訳者)というモーゼスの生活が静かに語られていきます。差別の中にあっても信仰から来る安心をもった人の強さを静かに描いています。 後半は一転して不合理な人種差別から最後にはモーゼスがいのちを落としてしまう。ゲド戦記の訳で有名な清水真砂子さんが私達日本人に伝えたい強い気持ちで翻訳されたのだろうと思いました。2018/09/18