内容説明
マンガと児童文学の比較文化論。表現ジャンルのアイデンティティをさぐり、ふたつの物語文化の新しい再生をうったえる。
目次
ふたつの物語文化
少年小説からマンガへ―南洋一郎と山川惣治の〈あいだ〉
ヒーロー神話の現在―ミームとしての「ドラえもん」
児童文学の子ども像―「ズッコケ3人組」の意味するもの
趣味と学校のドラマ―「釣りキチ三平」と「4年イヌ組」シリーズ
パロディの夜はふけて―しりあがり寿、あるいは「だれも知らない小さな国」など
名作・古典とはなにか―「ゲゲゲの鬼太郎」の墓場とゆりかご
図書館とマンガ―ブック・リストおよび批評の問題
賢治童話・視覚化の問題―「銀河鉄道の夜」=賢治・ますむらひろし・杉井ギサブロー
風はどこから吹いてくるのか―文学と落書きの落差
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
6
1989年刊行。昭和の終わり頃に書かれたものを、約30年後の平成の終わり頃に再読。わたしは団塊ジュニア世代なので、子どもの頃の記憶には常にコロコロやジャンプがあった(もう少し上の世代になると、子どもの頃はサンデーとオバQという答えが現れてくる)▲89年ごろの記述なので、宮崎駿がいまのような国民的なポジションを得ていない。もののけ姫からだよな、世間的に一流扱いされるようになったのは▲そういや、本書にはオタクという言葉も未登場だ。宮崎勤の事件も逮捕されたばかりの段階なので、言及ない。2017/10/29