感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
109
デ・ラ・メアの作品を少し前に読んでいて子供用の作品も書いているというのを読み手に取ってみました。全3巻での構成になっています。デ・ラ・メアというのでかなり怖いものでもあるのかと思いましたが、妖精が出てきたりアンデルセンなどを思わせるものがあったりで楽しめました。この中には5つの作品が収められています。2017/06/04
ヴェルナーの日記
98
初のデ・ラ・メア作品。いつか読みたいと思っていた著者だけに力を入れすぎて読んでしまった。でも期待どおりの作品でした。デ・ラ・メアは、怪奇小説の作家として有名で、恐怖の対象を直接描かずに、物語の意味をもって読者に恐怖感を喚起する朦朧法という手法を好んだ用いた。この手法は児童文学の本作にも活かされており、どの物語にも、彼独特の世界観を感じる。例えば、本作に収録されている『魚の王さま(The Lord Fish)』にしても、通常のエンディングになっておらず、いかにもデ・ラ・メアらしい作品に仕上がっていると思う。2015/08/02