感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
烟々羅
17
題名は「現代推理小説」であり、わたしが書店アプリの「電子版の新刊一覧」から見つけていつか読もうとブックマークしたのが 2015-16年だが、初出は伝説の「幻影城」の末期、昭和四十年代。都築道夫が数少ないミステリ作家として孤軍奮闘し、あとは社会派の森村、斎藤。赤川次郎がデビューするかしないかというころのエセイである。ミステリではなく「推理小説」と書いてある時点で気付けよ、わたし。 ……そういえば、先日「将棋殺人事件」の文庫が再販された竹本、中井、赤江への言及はなかった気がする。 →2017/04/10
Ecriture
4
シモンズの唱えた、探偵小説→国際犯罪小説・スパイ・スリラー・サスペンス・ハードボイルドの流れに則り、松本清張の社会派推理小説などを論じる。推理小説が現実に対応し、古典風のパズル的要素小説よりも人間を描くことや小説としての質を追求し始めた結果、小説より奇なる現実に直面することになり、風俗小説に堕す作品も多くなった。80年代、権田は今後の推理作家の使命は全く新しい人口の謎を書くことであると説いた。反推理小説としての『虚無への供物』、人の弱さを認めるところから始まったネオ・ハードボイルドへの批判も興味深い。2013/05/30
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