内容説明
ベルクソンは「実際に重要なのは、問題を解決することよりも、問題を発見することである」と述べている。哲学においては何よりも「問いを立てる」ということが肝心である。本書におけるベルクソンにとっての中心的な問題は、哲学の方法としての直観である。
目次
1 序論(第一部)―真理の拡大、真なるものの後退運動
2 序論(第二部)―問題の位置について
3 可能的なものと実在的なもの
4 哲学的直観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
古代神話の神とキリスト教の神の混同、我々の祈りを聞こうとしないような存在も、哲学は神と呼んできた。説明のための観念と行動の原理の混同が起こる。事物がその観念に還元され、全てを説明と思われている観念の観念に到達してしまう。「《物自体》に勝手に名前を付け、それをスピノザの実体、フィヒテの自我、シェリングの実体者、ヘーゲルのイデー、ショーペンハウアーの「意志」」になる。「それらのことばは、明確に定義された意味を持つものとして提示されることはできない…事物の全体に適用されるとき…意味というものを欠くことになる」2024/12/18