内容説明
ヒューマニズムの思想史をたどり、大乗仏教の可能性を現代に問う。
目次
第1章 ルネサンスのヒューマニズム(はじめに―「考える」ということ;観念と言葉の魔術;ルネサンスにおける人間回帰 ほか)
第2章 近代ヒューマニズムの歴史(ヒューマニズムへの批判;個人主義的ヒューマニズムの成立;個人とはなにか ほか)
第3章 コスモロジーと人間(アインシュタインか、タゴールか?;神話と人間;宮沢賢治の宇宙 ほか)
第4章 新しいヒューマニズムへの道(現代と倫理の問題;生命の尊厳と慈悲;人間と宗教 ほか)
感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
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本来のヒューマニズムという意味と世俗的なそれとの違いを対比し、新たなるそれを思考する一書。ヒューマニズムとは、人間主義のことだが、得てもすると自己中心的なエゴイズムに陥ったり、逆に国家主義的な全体主義にもなりかねない。それは人間の歴史が真に物語っている。しかし、本来の人間主義とは、コスモロジー(秩序・調和した価値観)に根差したものであり、外部からの押付けでもなく、エゴイズムでもない中庸の価値観である。著者は、それを仏教の「法華経」の中に見出し、新たなるヒューマニズム位置付けることが重要であると述べる。2013/07/25
こうきち
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高邁な理想も、微妙な一念の違いで、向上にも怠惰にもつながるということで、思想というのは、一次関数的に常に同じ曲線を描くものではなく、何かのきっかけで真逆にも進んでしまうものなんだな。 以前、先生が「精巧な偽札が一番悪い」という比喩を話していたのを思い出した。2019/04/14
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