感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
9
この大学書林から刊行された『学校物語・他4篇』はポルトガル語の学習用教材。そのため、実質的な日本語ページは50ページ弱。「学校物語」は規律に厳格な学校教師と、彼の勉強の出来ない息子の話。授業の最中に、教師の息子は同級生の“私”に、銀貨一枚で試験の答えを見せてくれと交渉をする。そのやり取りを見ていた他の子どもが教師に告げ口をする…… 大きな物語ではないけど、人生の悲劇的な一瞬を切り取り、それをユーモラスに語る術に長けているように思えた。ふだん聞くブラジル文学というイメージからは程遠いのではないだろうか。2018/06/20