出版社内容情報
自治体職員向けの条例作りの技術的手法の解説、憲法・行政法・判例の解説を一冊に完結。職員の条例の制定・運用能力の向上を支援法務部門の担当者が、憲法適合性の観点から、?既にある条例を適正に運用でき、?今後策定する条例を適正に作成できるようになるため、法的思考力、問題分析力を培うことを支援する書。
自治体職員向けの条例作りの技術的手法の解説、憲法・行政法・判例の解説を一冊に完結。
自治体法務部門の職員の条例の制定・運用能力の向上を、憲法適合性の観点から支援！
はじめに
第1 章 法の基礎を学ぶ
1 法治主義（法律による行政の原理）
2 立法とは
3 法の強要性
4 法律適格性
(1) 個別的法律（処分的法律）の法律適格性
(2) 基本法の法律適格性
5 法律・条例の機能
6 行政機関による法の制定─行政立法─
? 政令：内閣が制定する命令（日本国憲法73 条6 号）
? 省令：各省大臣が制定する命令（国家行政組織法12 条）
7 法の効力関係
? 後法優位の原則（新法優先の原則）
? 特別法優位の原則
第2 章 自治体立法
1 自治体立法の種類
(1) 条例の意義
(2) 規則
? 知事、市町村長の定める規則
? 規則の所管事項
? 規則制定権の限界
? 規則の罰則
? 規則の制定改廃手続
? 規則の効力
? 自治体の委員会・委員の定める規則
2 条例制定権
(1) 必要的条例事項と任意的条例事項
3 条例の分類
(1) 法律施行条例と自主条例
(2) 基本（理念）条例と実体的条例
? 基本（理念）条例
? 実体的条例
第3 章 条例等の制定・改正の手続と基本構成
1 条例案の議会への上程
(1) 条例案の提案権
(2) 予算を伴う条例案
2 専決処分による制定・改正
3 条例・規則の基本構成
(1) 総則的規定
(2) 実体的規定
(3) 雑則的規定
(4) 罰則規定
(5) 附則
4 条例の改正方法
(1) 改め文方式と新旧対照表方式について
(2) 改め文方式と新旧対照表方式のメリット・デメリット
? 改め文方式について
? 新旧対照表方式について
第4 章 法律・条例による権利・利益の調整の仕組み
1 行政処分
(1) 法律行為的行政処分
? 命令的行政処分
? 形成的行政処分
(2) 準法律行為的行政処分
2 行政処分の附款
(1) 附款の種類
? 条件
? 期限
? 負担
? 撤回権の留保
? 法律効果の一部除外
3 行政調査
(1) 目的による分類
(2) 強制力の有無による分類
? 任意調査
? 強制力のある調査
(1) 法令上の根拠及び限界
(2) 行政調査と令状主義
4 条例の実効性確保
(1) 行政命令（下命又は禁止）
(2) 許認可の撤回
(3) 公 表
(4) 行政権限の融合（行政サービスの拒否等）
(5) 経済的ディスインセンティブ
(6) 行政命令の強制的実現
5 条例における罰則規定
(1) 行政刑罰
(2) 過 料
6 誘導的手法
? 行政指導
? 経済的インセンティブ
? 表彰制度
? 活動の公的権威付け
? 協 定
第5 章 自治立法の限界
1 一般的な条例の効力範囲
(1) 法令等の施行期間
(2) 法令等の廃止
(3) 不遡及の原則
2 人に関する効力範囲
3 場所に対する効力範囲
第6 章 憲法基本理念と条例制定権
1 基本理念
(1) 立憲主義
(2) 財政立憲主義（財政国会中心主義）
(3) 罪刑法定主義
2 人権の概要
(1) 憲法の基本原理と人権
(2) 人権制約の可能性
(3) 人権の分類
? 包括的基本権（包括的自由権・幸福追求権）
? 法の下の平等（憲法14 条）
? 精神的自由権
? 経済的自由権
? 人身の自由
? 適正手続の保障
? 国務請求権
第7 章 条例の憲法適合性についての審査基準
1 二重の基準論
(1) 精神的自由との関係（憲法21 条等）
(2) 経済的自由との関係（憲法29 条）
2 三段階審査説
(1) 審査の流れ
(2) 審査基準
? 厳格な審査基準
? 厳格な合理性の基準
? 合理性の基準
(3) 精神的自由に関する審査基準
? LRA
? 明白かつ現在の危険
? 検閲の禁止
? 明確性の理論
第8 章 条例制定権と法律
1 条例と法律との関係
(1) 条例の分類
? 法律に基づかない条例
? 法律に基づく条例
2 判例の状況
3 4 つの判断基準
第9 章 条例立案の流れ
1 条例と立法事実
2 条例仕組みの検討
3 義務履行の確保
4 法律の合憲性・適法性の審査
5 条例立案の全体像
6 条例の具体的な検証
(1) 立法事実の確定
(2) 規制手段の選択
(3) 義務履行の確保
(4) 合憲性・法律適合性についての審査
? 合憲性審査
? 法律適合性審査
第10 章 実践編─具体的課題を考える─
1 基本編
2 応用編 ─司法試験の問題から具体的に考える─
(1) 検討事案
(2) 問題の検討
? 検討のポイント
(3) 法律と条例の規制内容
(4) 法律と条例の抵触性の判断
(5) 設問についての考え方
? 法律の範囲内といえるか
? 財産権の侵害か
? 信教の自由
? 居住移転の自由
(6) まとめ
文献目録
あとがき
著者紹介
松村 享［マツムラススム］
目次
第１章 法の基礎を学ぶ
第２章 自治体立法
第３章 条例等の制定・改正の手続と基本構成
第４章 法律・条例による権利・利益の調整の仕組み
第５章 自治立法の限界
第６章 憲法基本理念と条例制定権
第７章 条例の憲法適合性についての審査基準
第８章 条例制定権と法律
第９章 条例立案の流れ
第１０章 実践編―具体的課題を考える
著者等紹介
松村享［マツムラススム］
同志社大学法学部法律学科卒業後、三重県四日市市役所入庁。総務部総務課長等を経て、総務部理事。同志社大学法科大学院講師、四日市大学総合政策学部講師、日本公法学会会員、日本地方自治学会会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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