内容説明
水墨画を描いたのはどんなひとたち?中国絵画に描かれた画題の意味とは?ヨーロッパ文化の影響を受け海を渡った漆の作品!?古都ならではの所蔵品を、京博(京都国立博物館)気鋭の研究員たちがわかりやすく解説。目からウロコの日本美術ガイドブック。文化財の魅力や大切さを伝える教育活動も紹介。
目次
1章 水墨画(日本における水墨画の黎明;中国画家の筆様 ほか)
2章 中国の画題の絵(中国への憧れ;様々に描かれる中国の画題 ほか)
3章 陶磁器(中国と同じように荘厳したい;京焼での中国模倣のはじまり ほか)
4章 南蛮漆器の発展(海外でも人気を博した日本の漆器;キリスト教と漆器 ほか)
番外編 明治古都館と表門(片山東熊の設計;調整を重ねた設計 ほか)
京博をもっと知ろう!4 京博の教育活動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
12
京都国立博物館の公式キャラであるトラりんと研究員の方々で易しく日本の美術を解説するシリーズも最終巻。異国のものをどのように取り入れ取り込んで作品にしていったのかがよくわかる。でもトラりんの理解度は高いし、質問も高度。トラりんと研究員の方の会話で解説が進むが、なればこそ図版・写真はオールカラー、ポイントとなる箇所は拡大写真などを掲載してほしかった。このほか、京都国立博物館での一般向けの取り組みが紹介されている。2021/05/27
やま
11
京都国立博物館のキャラクターである「トラりん」による日本の美術シリーズ第4巻。日本人がどのようにして異国の文化を取り入れてきたのか。今回のシリーズは少し苦手な分野が多く、読むのに手こずった感もあったが、地元の人物についての知らないことも出てくるなど読んだかいがありました。2021/07/11
さおっち
3
京都国立博物館公式キャラクターのトラりんと一緒に日本の美術を学ぶシリーズ第4弾。今回はちょっとハードル高い内容でしたが、中国をはじめ異国から多くの影響を受けて、日本の美術が成熟していった理由を知ることができて良かったです。個人的には「南蛮漆器」に興味深々。漆器とポルトガルは結びつかなかったので新たな発見!一部白黒なのは残念ですが、すっかりトラりんと研究員さんのファンになりました。2021/07/25
Yoshihiro Yamamoto
1
A 4冊組の最終巻。どの本もとても分かりやすかった。掲載されている作品は京博所蔵の品々。まるで京博の作品目録みたい。京博ファンなので生で見たことがあるものも多く、身近に感じた。今日では「芸術家」とされている作家の多くは、当時は「食うために作る」という状況だった。「○○風のものを作ってほしい」注文があれば、なんでも描いた。そういう視点が必要だということも学んだ。「水墨画」について、如拙→周文→雪舟(いずれも禅僧)の流れと、戦国時代に入って一般大衆からの注文に応じる狩野派(職業画家)という二つの流れが印象的。2024/10/09