出版社内容情報
自然のなかで枯れ、朽ちていく花や実の美しさ。約100種の植物の最期のすがたをカラー写真で紹介。〈自然のなかで、枯れ、朽ちていく花や実の美しさ〉
〈約100種の植物の最期のすがたを紹介します〉
自然のなかで枯れ、朽ちていく植物のすがた約100種を美しいカラー写真で紹介します。よく目にする植物の普段との違いや、種子散布など、次へ命をつなげるための工夫も解説。路地裏植物の散策をライフワークとする著者が自身で撮影した、貴重な植物の最期が詰まった一冊です。
田中 徹[タナカトオル]
著・文・その他
内容説明
自然のなかで、枯れ、朽ちていく植物の最期の姿に迫る『なれの果て図鑑』。「果て」はくり返され、命は果てしなく続く―
目次
草の果て(アレチマツヨイグサ;ウツボグサ ほか)
木の果て(アカメガシワ;アケビ ほか)
受難の果て(アオキ;カクレミノ ほか)
生きる果て(ウキヤガラ;オオイヌタデ ほか)
著者等紹介
田中徹[タナカトオル]
京都教育大学講師(植物分類形態学・有用資源植物学)を経て、現在は京都府立植物園および京都市青少年科学センター学習相談員、京都植物同好会代表、カルチャー教室の講師などをつとめる。1990年には環境省絶滅危惧植物調査京都府担当。種生物学会・日本植物分類学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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booklight
33
写真が非常に美しいので見入ってしまう。植物の生が終わろうとする最終期を集めた図鑑。生の横溢というよりは、枯れた生の余韻がなぜか胸を打つ。図鑑的な、雑記的な学術的な内容も記されているが、写真のほうが多くを語っている。装丁も非常に丁寧で、さすが淡交社。セイタカアワダチソウやワルナスビまでもが、生の終わりと次につなぐ生を語るすか姿に、しばしじっとめをうばわれる。生の最後の姿は、その多様性を受け継ぎ、様々な形を取り、終わりを迎える。自分のスタイルをもったまま、枯れるのも悪くないな、と思えた 。2022/07/10
たまご
22
若葉を出して,花を咲かせ…たあとの,実であったり,枯れていくなかに次世代へ繋がる準備をしていたり,という姿が満載です.今までとちょっと違う視点の植物の写真が綺麗です.モノトーンのような,セピアがかった世界が展開されますが,それがなんともいい雰囲気です.植物の繁殖の不思議さ,そして何より写真に癒されました~2017/05/22
紫羊
14
花や草木の枯れ朽ちてゆく姿、その命をつなぐ最期の営みに胸を打たれる。写真に添えられた文章からは、植物に寄せる著者の深い愛情を感じた。2022/03/16
びぃごろ
13
今までにない着眼点、草木の「枯れた」図鑑である。「草の果て」「木の果て」ではカラーなのに白黒写真のよう(笑)しかし、その造形美に見入る。手元にある『野草の本』と合わせて花の時を見比べつつページを捲る。後半の「受難の果て」「生きる果て」の章は一転しカラフル。カキノミタケ、ヤマウバタケや猫の死体検知菌などの菌類。不定根やタチヤナギの赤い呼吸根など大変興味を引いた。ヤブソテツの脈理は真冬の早朝のみに浮き出るという(←葉っぱの中に葉っぱ!)2017/03/08
縁川央
3
儚さ美しさ。2020/03/19