出版社内容情報
文献史学の立場から語られることの少なかった中世京都における日蓮宗の姿を詳らかにし、戦国時代の京都の実態を浮き彫りにする一冊。
〈なぜ信長は本能寺を宿所としていたのか? 中世都市京都における日蓮宗寺院の繁昌〉
〈戦国時代の京都における日蓮宗の勢力伸長の実態を、文献史学の立場から詳説〉
京都では戦国時代に日蓮宗が教線を伸ばし、二十一ヶ寺もの本山が創建され、一時は「京中大方題目の巷」(題目=「南無妙法蓮華経」)と呼ばれました。その勢力を危険視した比叡山によって二十一本山は焼かれ、日蓮宗は一掃されてしまいます(天文法華の乱)が、6年後には洛中還住を果たします。その背景には富裕な町衆が檀越として支えていたことが窺えます。本書は、文献史学の立場から京都で日蓮宗が拡大していく姿を見、室町幕府や信長・秀吉ら権力者とどう対峙していったのかを考察し
ます。
【著者紹介】
奈良大学文学部教授
内容説明
京都では応仁の乱後に日蓮宗の勢力が伸長し、二十一ヶ寺もの本山が創建されるに至った。天文法華の乱で灰塵に帰するも富裕な檀徒の財力を背景に復興され、めまぐるしく変わる戦国京都の権力者と対峙していく。その実態を、当時の文献史料でもってせまり、新たな歴史をうきぼりとする。
目次
第1章 題目の巷へ―南北朝・室町時代(日像と大覚;日蓮宗と延暦寺 ほか)
第2章 戦国仏教へ―室町時代から戦国時代(寛正六年、文明元年という画期;応仁・文明の乱後の繁昌 ほか)
第3章 天文法華の乱―戦国時代(天文法華の乱前夜;法華一揆と衆会の衆 ほか)
第4章 十六本山会合の成立と展開―戦国時代から信長の時代(会合の成立;諸寺勧進 ほか)
著者等紹介
河内将芳[カワウチマサヨシ]
1963年、大阪府生まれ。奈良大学文学部史学科教授。京都府立大学文学部文学科を卒業後、甲南高等学校・中学校教諭。その間に京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。京都造形芸術大学芸術学部歴史遺産学科准教授を経て、現職。日本中世史専攻。中世後期の都市社会史を中心に研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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