内容説明
禅は不立文字を標榜してきましたが、にもかかわらず多くの禅僧伝や語録が残されています。それらの魅力的な禅僧の事績を絵画化したものが禅画です。たしかに文学よりも絵画の方が直感的にわかるということはありますし、また禅僧の描いた禅画は禅の精神を感じさせ、大悟を求めて厳しい心身の鍛錬と教学が行われていることを感じさせます。何はともあれ、まずは禅画を眺めてみてください。
目次
1 祖師の逸話
2 悟りの瞬間
3 峻厳なる問答
4 風狂の徒
5 禅機画のなかの動物たち
著者等紹介
影山純夫[カゲヤマスミオ]
1947年大阪府生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了。神戸大学国際文化学研究科教授。芸術学、茶の湯文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yohei
7
禅の逸話や伝説の数々を、描写する絵画とともに紹介する一冊。西洋美術のためにキリスト教を学ぶことはあっても、禅や仏教を学ぶことが今まで特になかったため読んでみました。普段の論理的思考とは別の論理体系を持つ禅の世界に興味が惹かれました。また、筆者が理解できない/言葉で説明できない事柄などが正直に記述されており好感を持ちました。2019/02/15
hirayama46
3
はじめての影山純夫。禅画の知識が全然なく、十牛図みたいなものが多く紹介されているのかな、と想像していましたが、そうでもなかったです。十牛図は単独でストーリーがあるものですが、本書で紹介されているものは物語の一部分を切り取ったもの。解説でバックボーンを読んでなるほど、と思う本でした。多くの禅僧のエピソードはひとつひとつが短めなのでほぼ記憶はできなかったですが、禅的な思考に触れることは楽しかったです。2019/01/31
★★★★★
0
ようやく時間に余裕ができてきました。禅画の代表的な画題を解説して、それぞれ一つずつ作品を紹介する本。公案ってのは理不尽な上司みたいで相変わらずよくわからんけど、考えること自体が大切なんでしょうね。きっと。2011/05/28