内容説明
多くの謎に包まれる方丈庭園「石庭」。この常識をこえた名庭にわからない何かを求めて今日も人が集う。石と砂とが生み出す無限の空間。
目次
巻頭エッセイ 石庭素描
口絵カラー
エッセイ 「無」から始まる自由…。
龍安寺の歴史
応仁の乱二題―細川勝元の時代
龍安寺文学散歩
狩野元信と龍安寺
龍安寺の石庭
龍安寺の文化財
著者等紹介
杉本秀太郎[スギモトヒデタロウ]
1931年、京都市生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。京都女子大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。現在、同研究センター名誉教授。日本芸術院会員。主な著書に『洛中生息』(日本エッセイストクラブ賞)、『文学演技』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『古典を読む・徒然草』(読売文学賞)、『平家物語』(大佛次郎賞)など多数。又、訳書も多数有
道浦母都子[ミチウラモトコ]
1947年、和歌山県生まれ。歌人。1972年、早稲田大学文学部卒業。学生運動の激しかった大学時代を詠った歌集『無援の抒情』で第25回現代歌人協会賞受賞。エッセイ集・評論なども有。2007年には初めての小説『花降り』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
57
”箒目を春逝くさまに流しつつ”能村登四郎 かってエリザベス女王が絶賛した石庭。 その後ろ、油土塀に人の形の影があるという2023/03/10
退院した雨巫女。
12
《私-図書館》 石庭が、有名ですよね。細川勝元氏のお寺だったんですね。2013/09/29
うしうし
4
石庭で有名な龍安寺であるが、ここも3年前に訪れた。上杉本洛中洛外図にも龍安寺が描かれているのだが、石庭の表現はなく、前庭の回遊式庭園が描かれる。これは戦国時代には前庭の方が有名であり、石庭が喧伝されるのは近世以降であるという(今谷明『京都・1547年』p122)。本書には石庭の「最古の図」として『都林泉名勝図絵』(1799年刊行)が紹介されており、塀の形や砂の状況が現在と異なることが指摘されており、興味深い。龍安寺の寺宝の中に、織田信長の妹で、細川昭元に再嫁したおいぬの方の肖像画があることも、本書を読んで2016/02/23
荒野の狼
2
「古寺巡礼京都」シリーズの33巻で2009年発行。このシリーズは京都の大きな寺を扱ったものだが、龍安寺は妙心寺の一塔頭。2018年に龍安寺を訪れた時の印象は石庭のみが見どころで、その石庭にも録音の解説があったのだが、静かに鑑賞したい人のためにという理由で聞くことができなかった。本書を購入した理由は、石庭の意味を知りたかったことと、境内の随所にある巨岩(石庭のものよりはるかに大きい)の由来や意味が知りたかったためである(本書には巨岩については書かれておらず後者の目的は果たせなかった)。2019/05/08
みこれっと
2
ちょっと石庭のことを知りたくて借りた本。ずいぶんと長く借りてしまった。。。というのも意外と文章が多く、写真などは巻頭にまとめて、という感じ。ビジュアルで龍安寺を楽しみたい人にはつまらないかも。でも歴史好きなひとならかなりしっかりした内容なので満足出来ると思う。コンパクトながら良本。2019/08/12
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