内容説明
文明開化のただなか漢詩を詠み、賛を書し、山水を描いた幕末明治の文人たち。そのマルチな活動と人脈を、書画・漢詩集・書画譜・茶会記など貴重なカラー図版100点から読み解く初の書。
目次
第1章 近代文人と集いの場(書画会に集う;漢詩文集に集う ほか)
第2章 出版と近代文人
第3章 新たな文人たちの姿
第4章 文人考(憧れの文人画家―王建章をめぐる賞玩のいとなみ;煎茶趣味と書画文玩の鑑賞 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
5
2006年開催の同題の展覧会の関連書籍。図録も兼ねているのかな?「書画会に集う」「煎茶会に集う」など、明治の文人達の交流と営みを豊富なカラー図版で描く。コンパクトながらかなり丁寧に解説してあるので、人となりや人脈が見えて楽しい。集まって相手との関係や作風を推し量りつつ合作を楽しんだ文人たち。取り上げられるのは富岡鉄斎、長三州、田能村直入、巌谷一六の他、木戸孝允や西園寺公望の名も。西園寺は旅宿の床の間に贋作が掛っているのが我慢出来ず、1,2幅持って旅に出たりしたらしい。さすが清華家出身の最後の元老(笑)2018/08/04