内容説明
一隅を照らす―輝き続ける最澄の祈りの灯火。天台宗開宗から千二百年、数々の名僧を輩出した日本仏教の根源、母なる山、比叡山。
目次
巻頭エッセイ 延暦寺わが心のふるさと
口絵カラー
現代へのメッセージ のちの仏のみ世までも光つたえよ
延暦寺の歴史―母なる山の千二百年
天台座主良源の風貌―三塔分立の時代
延暦寺文学散歩
比叡山と里坊
延暦寺根本中堂
延暦寺の文化財
著者等紹介
半田孝淳[ハンダコウジュン]
1917年、長野県生まれ。第256世天台座主。1961年より長野県上田市常楽寺住職、天台宗教学部長などを経て、83年に大僧正、戸津説法勤仕、87年に望擬講、99年に探題に補任される。2004年11月、曼殊院門跡門主に就任、2007年2月現職に至る
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島県生まれ。作家・僧侶。1953年『女子大生・曲愛玲』で新潮社同人雑誌賞受賞、1961年『田村俊子』で田村俊子賞、また、女流文学賞、谷崎潤一郎賞、芸術選奨文部大臣賞、野間文芸賞の各賞を受賞。文化功労者。2006年文化勲章受章。1973年得度、法名寂聴。1987~2005年に天台寺住職、2007年3月禅光坊の住職に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
60
ダイナミックなお寺です。 次々と現れる高僧、日本の仏教ミュージアムのような。 信長による焼き討ち、1200年間途絶えたことのない不滅の法灯、千日回峰、世界宗教者会議 大物感強し 良源、角なくても異相 坂本、里坊の庭園巡りがしたいな2022/01/12
クラムボン
15
延暦寺は信長に全山が焼討ちされた。なので多くの貴重なものが灰になった。その中で最澄自筆の天台法華宗の学則文書(表紙の絵柄)、法華経の古写経や経箱、唐から持ち帰った袈裟などは国宝に指定されている。しかし地味過ぎますね…。そして巻頭エッセイは瀬戸内寂聴さん。51歳で出家。作家の今東光が師なので必然的に天台宗の僧になった。叡山横川での2か月の修業は若い青年僧と起居を共にする。当初は般若心経を読める程度で、その後仏典を読み漁ったそうです。少々変わった人だったのかな?2021/12/05
nagi☆
6
来週の土日で延暦寺に行くので、お勉強のために。「国宝とは何者ぞ。宝とは道心なり、道心ある人を名付けて国宝となす・・・」(山家学生式の一節。)人を育てようとした最澄の足跡を巡って来る。比叡山の冷気(霊気)に当たって、心の垢をすこーしでも落とせるといいな。2017/11/26
荒野の狼
5
新版古寺巡礼京都シリーズの第12巻。本シリーズの他書同様に、本巻も一番の魅力は63ページに及ぶカラー写真で、主要な建物、宝物、行事などを大きな写真で網羅し、簡潔に説明しており、これのみで購入の価値がある。巻頭に瀬戸内寂聴のエッセイがあるが、本人の延暦寺との関りが、延暦寺での初期の修行、天台寺の住職就任、禅光坊の住職任命まで書かれている中で、最澄に対する想いも込められている。寂聴の他のエッセーでは読んだことのない話が真摯に語られ白眉。2020/08/30
Junichi Wada
5
最澄、延暦寺の歴史を紐解きたいと読んでみる。戦乱、大火などの災厄に見舞われながらそのたびに復興を繰り返す延暦寺の力強さを感じる。また、滋賀県に数多くの国宝が残されている理由もまた比叡山にあるのだろう。 気軽に読める内容でした。2009/08/30
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