出版社内容情報
平成元年、衝撃的な早期隠退を決行した四代越路大夫の演目の解釈を、第一線の文楽研究家・高木浩志が密着して聞き出す。文楽鑑賞の得難い手引き書。
内容説明
文楽で大切な“情”を伝える。究極の芸談、二十二段。
目次
一谷嫩軍記
妹背山婦女庭訓
絵本太功記
奥州安達原
加賀見山旧錦絵
仮名手本忠臣蔵
源平布引滝
恋女房染分手綱
心中宵庚申
染模様妹背門松〔ほか〕
著者等紹介
高木浩志[タカギヒロユキ]
文楽研究家。昭和13年生まれ。昭和36年~平成12年、NHKプロデューサー
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感想・レビュー
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筋書屋虫六
1
芸の絶頂期にありながら「納得のいく義太夫を語るの にもう一生欲しい」と言って忽然と引退してしまった義太夫節人間国宝・竹本越路大夫。語りってこんなに緻密に音楽性と肚を通わせ、深い解釈のもとに生み出されるものなのか…と、そのことにおののきつつ、こんな特別な芸談を引き出してしまった高木氏に感服!残念なのは、自分に文楽に関する教養がなくて、きっと語られている中味の1割も解してないんだろうな…というのが分かること。もう限られた録音でしか出会えないけど、もっと太夫の義太夫を聴きたいと思うし、何より生で出会いたかった。2012/02/11