出版社内容情報
宗二の息子・伊勢屋道七は、父の死の真相を求めて旅立つ。父が死を賭して貫き通した侘び茶とは何だったのか。秘伝書『山上宗二記』を巡る戦国人物絵巻。
内容説明
天下人秀吉に三度までも抗い、己の死を賭して貫いた宗二の侘び茶とは?秘伝書をめぐる戦国人物絵巻。
著者等紹介
斎藤史子[サイトウフミコ]
仙台市生まれ。本名松長昌子。東北大学文学部フランス文学科卒業。1990年『落日』にて第7回大阪女性文芸賞受賞。現在、高野山大学非常勤講師
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感想・レビュー
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夜間飛行
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初め父宗二の影を追う息子道七の視点で進む。父は秀吉を怒らせ耳鼻を削がれたらしい。道七は各地を訪ね、父が身を寄せた高野山にのっぺらぼうがいると聞く。それは病者や傷兵かも知れぬが、一縷の望みを抱いて山に分け入る。そして顔を隠した男と遭遇。ここで物語の流れは一変する。改めて宗二の視点に立ち、前半謎だった出来事を語り直していくのだ。探す人と探される人…この視点移動には鷗外の史伝の影響がありはしないか。生きづらさを抱えた人の生涯を辿ることの意義を、前半の息子の努力で共有しつつ、その生きづらさを主客両面から受容する。2024/07/17
だ〜ね(^O^)
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面白かった! 時代考証がしっかりしており、武士、農民の階級による思考や行動の違いも書き分けている。 茶道の造詣の深さが、物語の中に現れているが、茶道を知らない人にも分かりやすく表現しているところに、著者の筆力の高さが伺える。 ラストの滋味あるれる終わらせ方が、また良かった(^O^)2017/04/08
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