出版社内容情報
印象派以降、なぜ芸術から聖なるものが消えてしまったのか?。「聖別」という概念をもとに、現代芸術を検証する。
内容説明
未来を見通す作家論。デザインから陶芸、彫刻に及ぶ視野の広さ、アーティストを論じる言葉の確かさに魅せられる。
目次
1 聖別の哲学―合理主義の光と影(美学―カントの「趣味」概念;趣味の社会性と芸術的価値;趣味の反社会性―悪の美;聖別の概念―ミサの儀式の意味 ほか)
2 対談「1つの美術史」―ダダイズム以降、芸術からなぜ「聖なるもの」が消えてしまったのか(デザインの興隆―芸術の世俗化の象徴;印象派の挑戦―反アカデミズム宣言;セザンヌの哲学的絵画―印象派の継承と徹底;立体派の錯誤―セザンヌからの逸脱 ほか)
3 作家論(伊藤慶二―神性と野性を貫く反骨の陶;伊藤公象―人為の極致で土の物性を引き出す陶の造形;土屋武―日本の詩の閑寂をかたちにする彫刻世界;峯田敏郎―現代を化石にする冷静な抒情彫刻 ほか)