目次
1章 生きざまの人間学(日本人の生きざま;東西スパイ考;戦争指導者たちの群像;“論理ある世界”の生きざま)
2章 日本列島―その南島的生態(日本社会は硬構造か?;日本文化の“南島的”背景;“君よ知るや南の国”―南島的社会の生態;南島的社会の構造)
3章 島世界の人々の発想―養子の取り方に見る(“西南日本型”地域における養子取得の形態;“東北日本型”村落における養子取得の形態;“東北日本型”社会と“西南日本型”社会における養子取得形態の比較)
4章 南島的世界の“くに”づくり(母性原理と父性原理の相克;“南島的”社会の行方;“南島的世界”日本の強味と弱味)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
16
日本の恵まれた風土や環境、また、言っていることと実際にやっていることが異なっていること等から、主に中国と比較して、日本を南島的母性的な軟構造の社会としている。言動が一致しないことは本書で出てきたような本音と建前というよりも、私はそもそも本音にあたるようなものが日本人にはなく、それよりも、良く言えば和を尊ぶ、柔軟、悪く言えば本書に述べられているように日和見、状況に流されやすいということだろうと考える。文化人類学的な視点から語られているが、研究書というよりエッセイに近く、少々物足りなかった。2022/08/19
Sumiyuki
1
表層では、"硬文化=大陸、サムライ文化"だが、深層では、"軟文化=南島文化"。それが日本の文化。サムライ文化は本質ではなく、南島文化の"緩さ"が日本の本質だ、としている。宮本常一さんの本が読みたくなった。2011/10/29