感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
4
途中で読み進むのを躊躇するレベルで私見の入った人物造形なので、覚悟して手にとって下さい、とおもわず忠告をしたくなりますが、読み物としては結構面白い。というか、読み物として面白いと思える方だけどうぞ、という感じ。それでもここで描かれる光琳や乾山像を鵜呑みにせず、彼らが生きた時代の京都の王朝文化ルネッサンス的な雰囲気とか、同時代人の交流のあれこれとかをのぞき見るのは結構楽しいし、あと巻末の「乾山『過凹凸窠記』訳注考証」はとてもいい。著者の教養が溢れてて乾山だけでなく、羅山や丈山が好きな人も一読をお勧めします。2016/12/11