出版社内容情報
《内容》 人間は、この宇宙のなかでは一瞬のほんのちっぽけな存在であるが、宇宙を理解できる途方もない存在でもある。本書は、生命科学の最先端を垣間見ながら、人間の健康理論をわかりやすく解説。宇宙における自らの位置を熟視し、「生物としての人間」の姿を顧みることによって、「生きる意味」や「生の手応え」を問い直す試みである。遺伝子たちが明かす人間の本質をふまえ、真暗闇のなかに青く浮かぶこの地球上で、いかに「共存・共栄」してゆくべきかを考察する。 《目次》 いま共生のとき 生命の感受性――序にかえて生命科学からみた人間健康理論1 治療の医学から予防の医学へ2 人口の激増と「人間の共存・共栄」3 人間と人間との「なくなることのない争い」4 人間の精神を豊かにすることと科学技術5 多くの哺乳類の集団で「いじめ」がある6 日常生活は文化的価値観の集大成である7 高齢期にも「自立して」生活する8 大災害のあとに起きる人間の精神状況―災害症候群9 人生は選択の連続―ひとは異性の相手をどのようにして選ぶか10 親と子、教師と教わろうとする者とは、「同時代を共に生きる仲間」として、新たに出会える。11 不安があって当然、迷って普通、と腹をすえて「今を懸命に生きる」12 「有終の人生」と社会・世代間の連帯13 人間は死ぬまで成長変化する。今の自分が本当の自分かと、時間の流れのなかで検討する。14 男女の性を越えて未来をつくる。健全な異性観で男女共同参画社会をめざす。15 少子化と社会。子育てには社会全体が責任をもつ。子どもは、依存と反抗を繰り返して自立してゆく。17 「動物たち」はいかにみにくくても、ひたすら利己のために生きる。人間もよくつきつめてみれば実はきわめて利己的で、その点では他の動物と変わりない。18 健康情報はブームで終わることが多い。市販食品には1gあたり1000~10000個の菌がついている。19 蛋白質の存在様式としての「生命」「生命は蛋白質の存在様式である」20 生命にとっての性の意義21 人間にとっての「性」22 人間には10万種類の遺伝子がある23 生き残るという能力24 遺伝子同士の熾烈な「だまし合い」25 科学技術庁の「技術予測調査」から26 死の科学27 自分とはいったい、何なのだろうか。28 生命の偉大さと人間29 人間に立脚した人間の存在――人間観30 よく「歩く」と頭もからだも「健康」でいられる31 今なお日本最大の感染症――「結核」32 エイズは特別な病気ではなく、身近な病気33 誰もがかかる病気――「風邪」34 豊かさからくる個人の病理現象―「肥満」、「糖尿病」35 脳が有する「すぐれた曖昧さ」と「脳」が外部に伸ばしたアンテナ「感覚器官」36 「ここにこんなにいい疲労回復の薬がある」「これを飲めばやせられる」「これは麻薬ではないから」37 生命動脈を守る。人間は動脈とともに老いてゆく。肥満しているほど、病気にかかる率が高く死亡率も高い(「肥満薄命」)。豊かな時代をつつましく暮らす38 癌をなくすことは不可能。あらゆる近代的な技術を駆使して、90歳とか天寿になって初めて癌になるという方向にもってゆく。39 生命現象を営む最小の機能単位、「細胞」。地球上のあらゆる生物の細胞が用いる共通言語、「DNAの塩基配列」。40 からだに「インスリン抵抗性」を産み出した近代文明41 「非自己」から「自己」を区別して、個体のアイデンティティを決定する「免疫」。42 「人間的生命」と心43 宇宙と生命と人間索 引
内容説明
宇宙における自らの位置を熟視しつつ、“生物としての人間”の姿を顧みながら、遺伝子たちが明かす人間の本質も踏まえ、真暗闇のなかに青く浮かぶこの地球上でいかに“共存・共栄”してゆくべきかを思い巡らしてみたのが、本書である。
目次
治療の医学から予防の医学へ
人口の激増と“人間共存・共栄”
人間と人間との“なくなることのない争い”
人間の精神を豊かにすることと科学技術
多くの哺乳類の集団で“いじめ”がある
日常生活は文化的価値観の集大成である
高齢期にも「自立して」生活する
大災害のあとに起きる人間の精神状況―「災害症候群」
人生は選択の連続―ひとは異性の相手をどのようにして選ぶか
親と子、教師と生徒は、「同時代を共に生きる仲間」として、新たに出会える〔ほか〕