内容説明
写実的な絵画でさえ図式(イメージ)を修正しながら再現するという図式への傾注により、本書は絵画、彫刻、風刺画、広告のみならず、写真や地図の知覚をも分析し、図式的な形の象徴や記号による想起を軸に動物行動学的視点からも再現の問題を客観的に捉え直し、芸術の本質に迫ろうとする斬新な研究の集成。
目次
造形を通じての視覚的発見
芸術における瞬間と運動
儀式的ジェスチュアと芸術表現
西洋美術における動作と表現
仮面と顔―すなわち実生活と美術における人相論的類似の知覚
視覚イメージ―そのコミュニケーションの位置
「空には天井はない」―すなわち大空と絵画的幻像について
鏡と地図―すなわち絵の再現理論
芸術における実験と経験
真理の規準―静止像と動く眼球
イメージと符号―絵画的再現における慣習の範囲と限界