感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NyanNyanShinji
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第一次豊竹座時代の並木千柳の浄瑠璃作品。大納言兼良の娘雛鶴姫を我がものにしたい後小松天皇第二皇子の宗純(むねずみ)親王。一方、雛鶴は山名時広の息子の靭負之丞一休(ゆきえのじょうかずやす)を恋い慕う。そこに蜷川新右衛門が絡む。人形浄瑠璃が描く「トンチンカンチン一休さん」のアナザーストーリー。ただ頓知の小坊主ではなく、正月に髑髏の杖をついて「御用心」とのたまう方の一休さん。禅僧一休宗純の誕生秘話でありぶっ飛んだストーリーではあるが、竹本座移籍前の並木千柳の構成はまだ甘く、三大名作には大きく引けを取ると思った。2023/10/29