目次
第1章 商品、価値、および階級関係
第2章 生産と分配
第3章 生産と消費、需要と供給、および剰余価値の生産と実現
第4章 技術変化、労働過程、および資本の価値構成
第5章 資本主義的生産の組織の変貌
第6章 蓄積のダイナミクス
第7章 過剰蓄積、減価、および恐慌論の「第一の切り口」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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邦訳副題のほうが原題だが、本書は資本の生成原理を探求しまさにその「限界」を示そうとする。経済地理学者の著者はマルクス『資本論』を空間論的に読み替え、物神性を前提とした資本主義の時代的変容よりも、それを物神性を引き起こすベースとしての原理を『資本論』の比率的思考を用いて前景化する。商品や貨幣に覆われ、この原理が見えなくなっている生活では表象の危機に見舞われるが、それは過剰蓄積によるのであり、別の空間を作って乗り越えようとする歴史的・反復的な資本主義システムが恐慌を起こすことと比率的に考察される(第7章)。2017/02/13