出版社内容情報
健康と社会の関連を科学的に解明し,健康格差の是正を目指す「社会疫学」の体系的なテキスト。
内容説明
健康格差、ソーシャル・キャピタル、行動介入、子どもの貧困、働き方改革、日本が直面する課題解決のヒントがここに。
目次
第1章 社会疫学の歴史的枠組み―健康の社会的決定要因
第2章 社会経済的状況と健康
第3章 差別と健康格差(抄訳)
第4章 所得格差
第5章 労働環境と健康
第6章 労働市場・雇用政策と健康
第7章 ソーシャルネットワーク疫学
第8章 ソーシャル・キャピタルと健康
著者等紹介
カワチ,イチロー[カワチ,イチロー]
ハーバード公衆衛生大学院教授
高尾総司[タカオソウシ]
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野講師
藤原武男[フジワラタケオ]
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野教授
近藤尚己[コンドウナオキ]
東京大学大学院医学系研究科健康教育・社会学分野准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hurosinki
4
健康の経済社会的な決定要因を探索する。 固定効果モデルやDID、操作変数法などの方法論を紹介した上で、膨大な実証研究を概括している。実証研究を解説するにあたって、逆因果や交絡を考慮して、実験・準実験デザインの研究を特に取り上げている。 各研究の曝露やアウトカムの測定方法、観察期間、地域による結果の違いも考察している。2023/06/19
KEI
4
社会疫学について、最新の研究内容を交えながら体系的にまとめた一冊。「自身の研究や実践を始める上で役立つ内容である」とのことですがわりとアカデミックよりで読み進めるのに時間がかかる。観点というか切り口はほぼ網羅している印象で、歴史、経済、健康格差、所得格差、労働、ソーシャルネットワーク、ソーシャルキャピタルが上巻のテーマ。下巻では、感情や行動変容、心理社会的介入、政策、行動経済学、社会と健康の関連メカニズムについて。◆現状を理解する意味で良著なのと図書館本なのでアウトプットがてらPPつくっておきたい気持ち。2018/03/09
こたちゅう
0
疫学、保健・医学は全く門外漢だが、仕事で若干関わりあるので読んでみた。そういう素人が読む本ではない。だけど、わからないなりに一通り読んでみたら、この分野の今のテーマとか、使われている用語とか、ざっと頭に入ったので、そういう意味では読んでよかったと思う。どうも、この分野の教科書的な本のようで、網羅的に書かれているのだと思う。本当は章末の参考文献を併読しながら読み進めるのが正しいのだろう。統計っぽい話は全く分からない。下巻まで読む気力は今のところないが、素人でもそれなりに得られるものはあったと思う。2018/05/15