出版社内容情報
本書は著者の学位論文を専門書として編集したもの。体育における人間形成に焦点をあて、代表的な人間形成論の成果と問題点を探る。
内容説明
今、体育において本当に追求されるべき課題とはいったい何なのか?体育は、運動集団を媒介にしながら、技能習熟や技能達成をめざして、人格を陶冶する契機を内包した、人間形成にとって欠くことができない貴重な経験を提供できる「場」をもっている。しかし、これまで日本の学校教育では、人間形成の方法論を伴って、体育という教科の中で主体的に実践が行われてきたとは言い難い。このような日本の実情を踏まえ、著者は体育における人間形成論の可能性を研究することを体育研究者としての使命と課し、本書において、体育の学習指導要領における人間形成的内容を詳細に検討・分析を重ねるとともに、諸外国の現状を批判的に考察し、体育における人間形成論を構築することに挑戦している。
目次
序章 問題の所在と本研究の課題
第1章 体育における人間形成研究のための予備的考察
第2章 体育の学習指導要領における人間形成内容の検討
第3章 戦後日本の体育における人間形成論の諸相
第4章 先進諸国における体育の人間形成論
結章 体育における人間形成論の構造
著者等紹介
友添秀則[トモゾエヒデノリ]
早稲田大学教授、博士(人間科学)。1956年、大阪市生まれ。筑波大学大学院修士課程体育研究科修了。香川大学教授(1989~1990年にはニューヨーク州立大学客員教授)を経て、早稲田大学スポーツ科学学術院教授。専攻は、スポーツ倫理学およびスポーツ教育学。主に、スポーツ倫理学の方法論やスポーツ教育における人格形成について研究を行うかたわら、日本体育学会や日本スポーツ教育学会、日本体育科教育学会、日本学校体育研究連合会などの理事を務めるとともに、日本アンチ・ドーピング機構において教育・倫理委員を務める。文部科学省学習指導要領作成協力者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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