出版社内容情報
《内容》 姿勢の良し悪しとは? 歩行にはどんなメカニズムが働いているのか? 誕生から老化まで、また障害を持つ人からスポーツ選手までを含めて神経生理学的にとらえた書。
内容説明
本書は、ヒトの生涯にわたる姿勢と歩行の変化に関する最新の研究結果を網羅している。
目次
1 発達理論と姿勢研究・歩行研究との関係(姿勢発達の諸理論;移動運動の発達的起源;移動運動の発達―動物モデル)
2 幼児期の平衡能と移動運動の発達(子どものバランスと移動運動の発達;幼児における準備的姿勢調節と姿勢動揺;移動形態の変化―歩行からスキップへ)
3 高齢者の姿勢と歩行の変化(加齢、姿勢制御と動作の準備;高齢者の動作の変化;高齢者の運動機能に対する可塑性と運動の影響)
4 異常な姿勢制御とトレーニング効果(子どもの平衡感覚失調;高齢者の姿勢制御失調における末梢性前庭障害の影響;運動競技のトレーニングが姿勢の安定性に及ぼす影響;障害者における姿勢のリトレーニング)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
1
姿勢制御は冗長な系(視覚,前庭,深部体性,皮膚)が協調して実現してる。生涯の中でこれらの相対的優位性が変化する。転倒や失敗は学習に必要。発達するのは定型的な動作ではなく動的な運動調節。ただし、発達的連続性を無批判に想定するべきではない。頭部や体幹の保持能力が発達的に「遅いコントロールパラメタ」であり、幼体でこれを人為的に提供すると成熟した前肢運動をする。鳥の場合は落下で羽搏きが発現する。幼少期に脊切した方が、無傷幼体や脊切成体よりもステッピング反射は容易に誘発する。2025/02/13