内容説明
モーツァルトのオペラで知られるボーマルシェの傑作戯曲『フィガロの結婚』待望の新訳。結婚式目前のフィガロとシュザンヌ。彼女に横恋慕するアルマビーバ伯爵をはねのけて、晴れて夫婦となれますかどうか―快男児フィガロの活躍がテンポよい現代語でいきいきと蘇る。フランス古典演劇の神髄。
目次
第1部 新訳『てんやわんやの一日あるいはフィガロの結婚』
第2部 ボーマルシェの「フィガロ三部作」について(セビーリャの理髪師、あるいは無駄な用心;てんやわんやの一日あるいはフィガロの結婚;もう一人のタルチュフあるいは罪ある母)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
8
ルイ16世からフランス革命にかけてのパリで活躍した劇作家の三部作、その第二作となる「フィガロ」だが、あまりにモーツァルトのオペラの印象が強すぎて、頭の中で音楽が鳴り響くことに。その結果モーツァルトの天才を改めて感じることになったが、原作についてもイタリアやフランス演劇の伝統に乗りつつ、新たな市民社会の台頭を描いて余す所がない。第一作の「セビリアの理髪師」との差も歴然としており、やはり稀代の傑作と言ってもよいのでは。翻訳者による解説は三部作全体にわたり、問題作である第三作「罪ある母」を読み返したくなった。2025/01/11
m
4
観劇前にギリギリ読了。前に読んだ一冊より丁寧に補足されていて理解しやすい。主人公が飄々としていれば喜劇になる、というような一文が心に残った。三部作の真ん中だったとは知らなかった。時代背景も解説されていて親切。2020/10/30
やっほっほ
0
作風の変化か。2013/03/13
ぺこら
0
これを読んでからYouTubeのベーム版を鑑賞したらものすごくわかりやすい。オペラの前にはCDと思っていたけど脚本?を読んでおくのもアリだ、と今さら。2025/03/08
NyanNyanShinji
0
モーツァルトの歌劇でしか知らなかったこの戯曲。一度原典(と言っても和訳だけど)を読んでみたかった。この本の後書ではこの戯曲の邦訳は岩波文庫版以来らしく、古くて現在では意味が通じづらい言葉や誤訳を正す意味で本新訳を書いたとの事。ダ・ポンテ&モーツァルトのコンビがこの戯曲のどの部分を刈り込み、また独自の台詞を加えたのかを知れて良かった。それとこの本の魅力は余禄の「フィガロ三部作」についてである。『フィガロの結婚』の後日譚『罪ある母』の粗筋だけでなく、この戯曲が世間にどのように評価されたのかがわかった。2023/03/26
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