内容説明
日本の英語教育の根本的な問題は、生徒の英語に接する時間数が圧倒的に少ないことです。限られた授業時間の枠の中で、この壁に立ち向かうアイディアをいくつか紹介しました。少しのやる気と少しの努力があれば充分です。
目次
1 マクロに分析・日本の英語教育改善の処方箋(マクロに考える)
2 ミクロに対処・現実的英語授業の提案(ミクロに対処する;処方箋を活かすアイディア)
3 文法訳読とオーラル・コミュニケーションの狭間(文法訳読vs.オーラル・コミュニケーション―単純文法訳読派と単純OC派の不幸な関係;対立を越えて)
著者等紹介
金谷憲[カナタニケン]
1948年東京生まれ。1980年、東京大学大学院博士課程単位取得退学。文学修士。スタンフォード大学博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教授。専門は英語教育学
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感想・レビュー
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Nobu A
2
「英語教育21世紀シリーズ」に感銘に近いものを感じて2冊目購入。主題は「マクロに分析し、ミクロに対処する」だとか。外国語としての日本の英語教育の透徹な現状分析。後半に趣向を凝らした授業改善案の処方箋紹介。例えば、シャドーイングの詳細は良かったが、第4章の「文法訳読法とオーラル・コミュニケーション対立」等、現実的なのかは疑問。個々のメソッド・アプローチの詳細に拘りすぎているように思う。教師は意識的もしくは無意識的に折衷案を使用。限られた授業時間を有効活用するのなら、やはり4技能統合型ではないのかと思った。2020/12/08
bombo9196
1
改めて、高校の教科書内容って難しいな、と感じた。まずは生徒を飽きさせないようなアプローチ(音読の行い方、ロールプレイの際の工夫、多読を授業に取り入れる、等)を、このような本を読んで少しでも取り入れて改善していこうとする姿勢が大事、ということが文章から伝わってきた。リソースの集中の話は結局ビジネスでもどこでも共通なんだな、と思ったがそれが学校教育に全く生きていないのは悲しい。2013/08/16