目次
一日目(鬼の話;天人花 ほか)
二日目(ペトロシネッラ;プリンス・ヴェルデプラート ほか)
三日目(カンネテッラ;手なし娘 ほか)
四日目(雄鳥の石;二人兄弟 ほか)
五日目(ガチョウ;十二の月 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
39
始まりは魔女の呪い。ゾーザ姫にかけられた、タッデオ大公とでなければ結婚できないという呪い。しかし大公はだまされて別の女と結婚してしまいます。姫は運命に抗うべく、魔法で大公夫人が昔話を聞きたくなるように。こうして10人が5日間お話を語る昔話集の幕が開くのです。主人を助ける猫に塔の上の娘とお馴染みのモチーフが展開される物語は、昔話につきものの残酷さもありますが、家じゅうの家具が子供を生んだりと、エロティックで生命力に溢れてもいる独特の世界観を堪能しました。泉が水晶の舌でささやいたりする、自然を語る技法も素敵。2017/06/19
飼い猫
1
小さい頃に祖父母に読んでもらった童話の原型とも言うべき話が何話も詰め込まれた大変面白い作品。グリムほど陰惨さがないのは、イタリアの作品だからだろうか。また童話というよりも、枠物語として人々が語る話から成っているペンタメローネの話は現代にも通ずるものがあり、大人が楽しむ童話だと思った。こうした童話が世界の至る所で似たような形で語られているのも面白いし、調べてみたいと思った。次はボッカチオのデカメロンを読みたいと思う。2016/11/30
nuna
1
17世紀のナポリで書かれた民話集。シンデレラ、長靴を履いた猫などの原型が含まれている。結末が財を得るか王族との婚姻というパターンがほとんどでそこは飽きるが、話の要素を見ると日本の昔話との類似点があったりと興味深い。2010/03/12
速水
0
童話大集合という感じ。アラビアンナイト形式で、毎晩10話ずつ5日間に渡って大公とその妃に語り聞かせる。よく知られた童話の原型らしきものとか、日本昔話で聞いたようなやつとか、色々あって面白かった。まぁ大体エンディングは悪い奴が死んで 女の子が王妃になるんだけど。 各話最初にネタバレを含む要約が載っていて、忙しい時には便利だけど、ちゃんと読みたいのにうっかり見えてしまった時の萎え具合がひどかった。2021/01/17
茅野
0
長かった……。5日間×10話ずつ、それに加えてフレーム・ストーリーとインテルメッツォ。各話は数ページで短いものの、想像以上に時間がかかった。『千一夜物語』を彷彿とさせるフレーム・ストーリーで、西欧最古の民話集ということを考えると大変意義深い。2020/05/20