内容説明
「翻訳者はまず日本語の文章能力を磨け」と説く著者が、ミステリー・詩・童話・自然科学書など幅広い分野の訳書15冊を取りあげ、誤訳・悪訳を指摘しつつ翻訳技術をわかりやすく教授する。有益な教訓が随所にちりばめられた翻訳家志望者必読の書。
目次
アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』
ピーター・ドラッカー『断絶の時代』
ノーム・チョムスキー『言語と精神』
ウィンストン・チャーチル『葉巻とパレット』
ジョン・アップダイク『走れ!ウサギ』
コレット・ダウリング『シンデレラ・コンプレックス』
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』
アガサ・クリスティ『カリブ海の秘密』
ジェイムズ・ケイン『郵便配達夫はいつもベルを二度鳴らす』
D.H.ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』
カール・セーガン『コスモス』
ウラジミール・ナボコフ『ロリータ』
マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』
ウィリアム・ワーズワース『黄水仙』
E.B.ホワイト『シャーロットのおくりもの』
英和翻訳に役立つ参考書一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tonbei
2
翻訳に関する本を多々読んできたけれども、この本は その中で自分なりには一番いい。繰り返し読んで、毎回なるほどと思わせられる。 前書きで、著者は次のことを述べている。 「ところが,肝心の翻訳書の多くがあいも変らず誤訳と拙訳に満ちていて,一向に改善される気配がないのはかえすがえすも残念でならない。これには大きな理由が二つあるように思える。 2019/12/12
もっち
0
(図書館) 非常に有名な翻訳作品にもいくつも修正の余地があるのに驚いた 修正点はなるほど、と思うものが多いのだが、最後の童話のところで「子供に分かりやすく、登場人物名を日本名にしてはどうか」「併せて『インディアンのナバホ族の毛布』を『アイヌの手織物』とする」というのはいろいろと台無しだと思う2009/12/08