内容説明
戦中に刊行された第一巻から、平成・令和に発行されたデジタル版までの『大漢和辞典』の軌跡を、校正刷など多数の資料写真とともにたどる。漢字5万字との格闘の記録。
目次
第1部 鈴木一平と諸橋轍次(「出版は天下の公器である」―『大漢和辞典』企画・発行者鈴木一平;「行くに径に由らず」―『大漢和辞典』著者諸橋轍次)
第2部 『大漢和辞典』の百年(大正十五年(昭和元年/一九二六)~昭和九年(一九三四)
鈴木一平、諸橋轍次に漢和辞典編纂を依頼
昭和十年(一九三五)~昭和十九年(一九四四)
戦禍の最中、『大漢和辞典巻一』刊行
昭和二十年(一九四五)~昭和二十九年(一九五四)
焦土からの再出発
昭和三十年(一九五五)~昭和三十五年(一九六〇)『大漢和辞典(初版)』全十三巻の刊行
昭和三十六年(一九六一)~昭和四十五年(一九七〇)『縮写版』の刊行
昭和四十六年(一九七一)~昭和六十三年(一九八八)『修訂版』の刊行
昭和六十四年(平成元年/一九八九)~平成十五年(二〇〇三)『語彙索引』『補巻』の刊行―全十五巻完結)
著者等紹介
池澤正晃[イケザワタダアキ]
1946年福島県生まれ。福島県立安積高等学校、早稲田大学第一文学部卒業。1970年から2006年まで大修館書店に勤務。製作部門を経て、高等学校国語教科書、『漢語林』などの編集に携わるとともに、長く『大漢和辞典』を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
9
諸橋轍次と大修館書店の創業者である鈴木一平による『大漢和辞典』の編纂・刊行について。著者が元大修館書店社員ということもあってか、どちらかというと編集や印刷にまつわる話が多い。戦前の出版社事情や、大漢和と漢字制限論、漢字復権といったような政治・社会事情との関わりの話が面白い。2023/11/19
くらげかも
3
『大漢和辞典を読む』のほうが自分には向いているかも知れない……2024/06/15
takao
3
023年全15巻完結、大漢和辞典デジタル版2024/04/25
skr-shower
2
何で借りたのか忘れた…流し読み。大漢和辞典の編纂・刊行に関する苦労が淡々と。スマホで各種辞典が読める時代、先駆者たちはどう思っているだろう。2024/03/07
hoven
1
狂気としか言いようがない。頼んだ出版社もまさかここまでの本になるとはおもってなかっただろう。よく大修館書店が潰れなかったよ。お金がどんどんでていくのに、一向に完成の気配がない。しかも戦中に突入。出版社、編集者、執筆者、印刷所その他諸々の努力を超えた偉業。2024/08/16