感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
赤白黒
6
原著の刊行は1955年。陰陽五行、今文古文、讖緯説といった、漢代政治思想における基本的な事項について、平易な文体で丁寧に説明してくれる教科書的内容。新しい著作は自明の事柄について逐一解説してくれないのでありがたい。王莽受禅における漢火徳説の擬装は本書のキモ。著者によれば、漢代の学術は統治者とその取り巻きたる学者官僚が、自己の身分を飾るための宗教を土台にしたものだという。各章の末尾では伝統的経学に対する批判が述べられており、清朝末期に生まれた「疑古派」知識人の、経学に対する愛憎が伺えて興味深い。2025/11/17
韓信
1
陰陽五行思想・災異説・経学・讖緯思想が秦漢時代の政治上で習合していく過程を説いた論考。70年以上前の学説なのでいま見れば古いのだろうが、門外漢には王莽・劉?らによる漢の火徳改徳や左伝の偽作、彼らによって体系化された五徳終始説の光武帝や公孫述ら後代における受容などを明快に論じていて刺激的だった。有名な「劉邦=赤帝の子」という伝説も火徳の漢家から土徳の王莽への受禅のために作られたとのこと。王莽の歴史上の意義・影響力を否定的にではあるが、矮小化することなく評価していて好感が持てる。2012/09/02




