出版社内容情報
宮沢賢治作品の生前から現在までの受容のあり方について、教科書への収録という点を中心に検討し、賢治受容の変遷を探る。
内容説明
…戦争、民主主義教育、エコロジー、ポップカルチャー、震災…「雨ニモマケズ」「どんぐりと山猫」「やまなし」「永訣の朝」「グスコーブドリの伝記」…賢治受容の謎を追う。
目次
はじめに―賢治受容の不思議
第1章 「不満」から始まった『春と修羅』受容―生前評価の実態
第2章 「雨ニモマケズ」という生き方―戦時下における評価の高まり
第3章 「雨ニモマケズ」教材化の前夜―満州開拓青年義勇隊の試み
第4章 「どんぐりと山猫」と民主主義教育―なぜ戦後も評価されたのか
第5章 「やまなし」の謎―“難教材”の扱いやすさ
第6章 「永訣の朝」の賢治イメージ―みんなの幸福を願う“エコ”な人の行方
第7章 「グスコーブドリの伝記」の再創造―揺らぐ自己犠牲
第8章 東日本大震災と“宮沢賢治”―映画『グスコーブドリの伝記』から
著者等紹介
構大樹[カマエダイキ]
1986年、兵庫県生まれ。博士(教育学)。東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科修了。現在は清泉女学院中学高等学校教諭。日本近代文学会、宮沢賢治研究会などに所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春風
5
戦時中の翼賛詩集から『シン・ゴジラ』『月に吠えらんねぇ』まで、自己犠牲、エコロジー、妹萌えなどなどさまざまな読まれ方をしてきた宮沢賢治受容史をたどる。マンガやアニメへの言及も多い。2019/12/01
金目
4
教科書に載り続ける賢治作品と、変遷する賢治さん受容について。賢治さんといえば雨ニモマケズ、というのが現代であるが、当初は詩人として純粋に評価されていた。没後には生活者としての面が強調され、戦時下ではその朗唱性、滅私奉公の精神、私事性が評価され、群体を維持するための印象として存在した。高度成長期や東日本大震災被災地に置いても、賢治さんの生き方と作品がそれぞれの形で活用されていたのは興味深い2019/12/30
かーんたや
2
最近の漫画にも出てくるのは知らなかった2019/09/17
ジム
0
他に見当たらないという線はどうだろう。2019/09/05