内容説明
「いやな面はかくしたんです。…だから智恵子抄は不完全なものですよ。」と光太郎は後に語っている。大正から昭和への時代、さまざまな困難を乗り越えて結ばれた一組の男女の理想的な結婚。その後に続く悲劇の予兆が、詩集の「影」に見え隠れする。この悲劇は、果たして光太郎ひとりの罪だろうか?永遠の愛をうたいあげた『智恵子抄』の深層に迫る。
目次
序章 『智恵子抄』という詩集
第1章 『智恵子抄』前史
第2章 新しい女
第3章 人類の泉
第4章 樹下の二人
第5章 同棲同類
第6章 人生遠視
第7章 山麓の二人
第8章 荒涼たる帰宅
第9章 鉄の囲の中
終章 山林孤棲