内容説明
長年にわたり世界各地で日本語や社会言語学を教え、日本語教育のあり方を多様な角度から見つめてきた著者が、その複眼的視点を生かして、日本語が使われる実際の場面に即した新たな理論的モデルを提示する。日本語教育の社会的役割、さらには文化的コミュニケーションの重要性をも強調した、新時代へ向けての提言。
目次
第1章 新しい日本語教育とは
第2章 「文化」を教えるということ
第3章 コミュニケーション行動と日本語教育
第4章 イマーション・プログラムについて
第5章 日本語のテスト
第6章 日本語教師養成
第7章 ティーチング・アシスタントの活用
第8章 接触場面の研究について
第9章 外国人とのコミュニケーションと日本語教育
第10章 場面と学習者ストラテジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宵子
1
修論のために早足で読んだ、その3。文法・翻訳重視だった日本語教育がどのように変わるべきかを書いたもの。主に学習者の社会参加に関わる話題が上がっている。でも、日本側だけではなく、日本語教育が国際友情のためにするってのは意外と難しいと思う。2014/11/30
アンゴ
0
少し古い(1995)内容だが文型中心の日本語教育からコミュニケーション能力習得にシフトするため社会言語能力育成に重点を移すよう提言。「学習者は非母語話者が母語話者との接触場面においてどのように振る舞うべきかに興味があり、接触場面のみが扱われるべき」というのは、一理ある。場面シラバスのテキストの場合、社会言語能力をカバーし運用能力開発に有効な内容に焦点を当てるべき。2017/01/21